KKR日本株比率大幅増で1兆円以上の買い余力出現

 国家公務員共済組合連合会(KKR)は、運用の基本方針の改正を行ったことを発表し、新たな基本ポートフォリオは、国内債券を現行の74%から半分以下の30%に、国内株比率を現行の8%から25%、外国債券を2%から15%に、外国株式を8%から25%にすることがわかった。日本株への購買余力が増えたことになる。

 KKRの昨年3月末時点の運用総資産額は約7.2兆円。この中で、約6300億円が国内株式の運用に振り分けられていたものが、25%という比率の大幅増加によって、約1.2兆円が国内株式の割り当てられることになり、日本国内の株式市場への影響は大ということになる。

 KKRは、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興共済事業団の共済組合と運用一元化されることもあり、GPIF寄りのリスク志向となる。

 KKRの21~25年度の時価ベースでの実質利回りは次のようになる。
21年度 5.52%
22年度 1.21%
23年度 2.06%
24年度 5.10%
25年度 4.61%

 25年度の財政状況は、運用収入こそ1753億円のプラスだが、純損失は2951億円の赤字となっている。GPIFと同様にすでに基金の取り崩しが始まっているという現状がある。昨年6月以降、資産運用委員会で検討を重ねており、厚生年金積立金の基本ポートフォリオとの連続性を考慮した。

国内債券 74.0% ⇒ 30.0%
国内株式 8.0% ⇒ 25.0%
外国債券 2.0% ⇒ 15.0%
外国株式 8.0% ⇒ 25.0%

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