米ファーストフード大手マクドナルドが、2009~2013年の4年間にわたって、10億ユーロに上る課税逃れを行っていた、と労働組合が指摘していたことがわかった。多くのグローバル企業がこれまでに行ってきたルクセンブルクに設立した法人で、フランチャイズ料を吸い上げるという形を取っている。
すでに、グーグル、アマゾン、アップルなど多国籍企業が使っている手法だが、マクドナルドにもその疑いが浮上している。
マクドナルドは、全世界で3万6000店舗、1日あたり6900万人が来店する。そのうち欧州7850店舗で、年間200億ユーロ以上を売り上げる世界最大級の飲食チェーンだ。雇用者は約190万人にも上る。
海外のマクドナルドの収益モデルは、日本とは異なり、直営店舗型ではなく、フランチャイズ方式が中心。全3万6000店舗の7割以上がフランチャイズ方式を採用している。欧州では、店舗売上高の5%を本部が徴収、米国の場合は4%だという。
これを2008年までは、米国のデラウェア州でフランチャイズ収入を吸い上げる資産管理会社を機能させていた。しかし、2009年からは、ルクセンブルクにこの機能を持った会社を設立し、社員13人で稼働してきたという。
このため、欧州のヘッドクォーターをロンドンからジュネーブに移転、そこからフランチャイズ料をルクセンブルクで吸い上げてきた。
2009~2013年の5年間で、ロイヤリティ収入は37億ユーロ以上になる。組合の試算によると、本来支払うはずだった税金は5年間で10億6000万ユーロに上るが、実際に支払った税額は1億9400万ユーロだったといい、本来の5分の1程度になる。