空き家「1年間の使用実態なし」と定義(国交省)

 施行開始された「空き家対策特別措置法」で、総務省と国土交通省は、初めて空き家を「居住その他の使用がなされていないことが常態である」というもので、その常態の期間としては1年間で認められると定義した。空き家は更地に比べて固定資産税が最大6分の1に優遇されてきたが、相続人にとっては、その優遇がなくなることで危機感を持たれている。

 総務省・国交省は、電力・ガス・水道などの使用実績も客観的に居住実態を把握する判断材料としながら、「おおむね年間を通して建築物などの使用実績がないことは1つの基準となると考えられる」としている。各自治体が空き家を調査し特定する上での定義がなかったが、今回初めて公に定義されたことになる。

 また、固定資産税の請求において、納税者を特定するために登記情報以外にも、固定資産課税台帳を使用することが許される。

 空き家対策特別措置法は、全国にある適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生などで住民に悪影響を及ぼすと、自治体が指定した場合は必要な調査を行い、強制代執行で撤去する権限を与えるというもの。全国の住宅のうち13.5%が空き家になり、社会問題化していた。

 空き家は従来、固定資産税が次のように優遇されてきた。

◆住宅の敷地が200平方メートル以内 空き家の固定資産税は更地の6分の1
◆住宅の敷地が200平方メートルを超えた部分 更地の3分の1

 特措法の施行によって、相続放棄や売却が増加することが考えられ、不動産市況の悪化につながるとの見方が強い。

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