国土交通省が発表した平成26年第4四半期の全国主要都市の高度利用地地価動向報告によると、全国で80%以上が上昇地点となった。東京では外国人観光客でにぎわう銀座、開発計画でJリートなども参戦する虎ノ門、ブランド店需要が高い新宿三丁目が3~6%の高い地価上昇を示したことがわかった。地方では、福岡市内の高級住宅街の大濠公園が唯一3~6%の高い上昇を示した。
この調査は、不動産鑑定士が調査対象地区の不動産動向の情報を集めて国交省が住宅地、商業地に分けて地価傾向の動向を集計したもの。今回は全体の8割以上が上昇し、下落はなかった。
特に東京の商業地は、外国人観光客の訪問が多い地区、銀座や新宿三丁目、Jリートなど機関投資家の取得熱が高い地区、虎ノ門で上昇率が高かった。地方では、福岡の大濠公園が高かった。
◆銀座中央 3~6%上昇
外国人観光の増加に支えられている。国際的な知名度を背景にして、集客力に期待するプレイヤーも多く、Jリートや不動産ファンドのほか、一般事業会社の需要も高い。
築浅の優良オフィスビルを中心にテナント需要は回復し、地区全体として大型開発事業が進捗中で、将来的にも地価動向は上昇は続くと見られる。
◆虎ノ門 3~6%上昇
虎ノ門整備計画による環状2号線の開通、再開発ビルの開業などの再開発で、都内でも最も大きな変貌を遂げている計測地点である。Jリートによるオフィスビル、土地取得が確認されており、東京メトロ日比谷線の新駅、バスターミナルなど今後の計画もあり、需要は今後も高止まりすると見られる。そのため、供給側が値上がり期待から、物件の出し惜しみをしているようだ。
◆新宿3丁目 3~6%上昇
収益不動産の取引が中心で、店舗利用が一般的。賃料も上昇中で、供給が少なく需要超過だが、利回りの下限に近いくらいの低下によって取引の成立が難しくなっている面はある。銀座、表参道に次ぐ高級ブランド店の集積地域でもある。外国人観光客の訪問も多い。
◆大濠公園 3~6%上昇
福岡市内有数の高級マンションエリアであるが、複数のマンション開発素地の入札が行われ、落札額の単価が地価水準を大幅に上回る。現在、新築の販売中の物件はないが、ここのところ供給がなかったこともあり、出れば価格設定も強気が予想される。中古マンション価格も上昇傾向が顕著に表れている。