東大女子の世帯年収は男子より上、主要国立大学の世帯年収

 卒業、進学シーズンを前にして、全国の主要国立大学が数年おきに実施している学生生活実態調査を基に、学生の家庭の世帯年収がどのくらいかを見ておく。東京大学は年収1250万円以上が11.8%、京都大学は年収1200万円以上が11.7%。また、年収900万円以上となると、3分の1以上が該当した。さらに、東大は女子学生の家庭の方が男子学生の世帯年収を上回っていた。※大学によっては世帯年収の調査項目を入れていない。

 まず東大だが、2010年に発表された「東大家庭教師友の会」によるアンケート調査では、年収950万円以上が51.8%であった。これは現役東大生277人に行ったものだが、大学が行った調査では2494人を無作為抽出し、回収率は40.2%だったということから、サンプル数は3倍以上になる。

 調査結果はかなり異なるが、サンプル数によるバラつきがあるのではないか、とも思われる。その世帯年収分布だが、次のようになる。大まかには750万円より上か下かで別れているようだ。

◆東京大学
1550万円以上      6.3%
1250万円~1550万年未満 5.5%
1050万円~1250万円未満 5.7%
950万円~1050万円未満  14.0%
750万円~950万円未満  12.7%
450万円~750万円未満  19.7%
450万円未満       36.1%
※平成25年度 東京大学学生生活実態調査

 そして、東大で興味深い点は、女子学生を持つ家庭の世帯年収の方が全体的に高目であるということだ。ちなみに、他大学では、男女別データは公表していない。

◆男女比較(男女)      
1550万円以上      6.0% 7.5%
1250万円~1550万年未満 5.4% 5.9%
1050万円~1250万円未満 5.3% 7.5%
950万円~1050万円未満  13.2% 15.5%



 京都大学の調査は学部生だけでなく、院生や研究生らも含まれているため、世帯主が親ではなく自分自身の場合もある。博士過程の場合は300万円未満が29.8%と多い。それでも全体的には過半数が600万円以上となる。

◆京都大学(全体)
2000万円以上      3.0%
1200万円~2000万円未満 8.7%
900万円~1200万円未満  22.2%
600万円~900万円未満  26.0%
300万円~600万円未満  20.4%
300万円未満       12.8%
無回答         7.0%
※平成25年度 京都大学学生生活実体調査報告書

 一橋大学は、東京都内にあるために京大よりも2000万円以上の割合が高くなっていると思われる。

◆一橋大学(学部生のみ)
2000万円以上      4.2%
1750万円~2000万円未満 2.6%
1500万円~1750万円未満 3.7%
1250万円~1500万円未満 11.2%
1000万円~1250万円未満 15.7%
750万円~1000万円未満  17.6%
500万円~750万円未満  8.6%
250万円~500万円未満  6.6%
250万円未満       4.0%
わからない       23.9%
無回答         2.0%
※平成21年度 一橋大学学生生活実態調査報告書

 北海道大学は7割弱が500万円以上。特に、関東、近畿からの学生は1000万円以上の比率が3分の1以上を占めるという特徴が見られる。

◆北海道大学
1000万円以上      18.5%
700万円~1000万円未満  26.9%
500万円~700万円未満  22.7%
※2010年度 北海道大学学生生活実態調査

 ちなみに、自宅の場所も進学先選びには大きな要素となるが、世帯年収によって県外への移動も経済負担が軽くなるため割合が高くなる。また、東京在住で東京の大学に入学する場合など居住地内移動は、都市部の方が年収が比較的に高いために移動率は低くなるというデータも出ている。

◆父親の年収と県外流出率と居住地移動率
・年収1000~5000万円(641人) 73.0% 50.1%
・年収700~999万円(682人)  67.7% 53.4%
・年収500~699万円(540人)  64.4% 55.4%
・年収0~499万円(372人)   67.5% 61.3%
※全国大学生活協同組合連合会「学生生活実態調査」の再分析より

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる