2兆円「宇宙、海底、超人」に突っ込む大富豪「戦艦武蔵」発見

 フィリピン沖の太平洋に沈んだ「戦艦武蔵」が発見されたという話題が世間を騒がせている。

 武蔵は大和、妙高、能代、長門、鳥海、羽黒らと部隊を組みレイテ沖に進んだが、1944年10月24日、シブヤン海に撃沈した。それから70年近い月日が経過し、米大富豪ポール・アレン氏のスーパーヨット、オクトパス号の深海探索によって、発見された。もちろん、正式な発見となるとさらなる調査は必要だが、大きな歴史的功績でもある。

 そのアレン氏だが、マイクロソフト共同創業者だが第一線を退き、現在は宇宙、海底、超人のそれぞれの発掘を行うなど2兆円以上保有する巨額の資産を使って、多方面での人類の夢に挑戦している。まさに大富豪の醍醐味であろう。

 フォーブスの長者番付による総資産推計は175億ドルで、世界51位の大富豪にあたる。ご存じのように高校時代の同級生であるビル・ゲイツ氏を誘ってマイクロソフトを設立したのが1975年のことで、本人はワシントン州立大学中退。最大で同社株を28%保有していたが、現在の資産の内訳は次のようになる。

・現金     38億ドル

・公開株式
マイクロソフト 47億ドル
プレインズオールアメリカン  3億6700万ドル
チャーターコミュニケーション 1億1500万ドル
PTCT           1億1900万ドル
トウルーカー         9800万ドル
オーディエンス        1300万ドル

・プライベート資産
NFLシアトルシーホークス  20億ドル
NBAポートランドトレイルブレイザーズ 3億5000万ドル
ヘッジファンド        1億ドル
ヨット            2億5000万ドル
ヴァルカンリアルエステート  11億ドル
ヴァルカンキャピタル     20億ドル
マケナキャピタル       16億ドル
自宅             1億2500万ドル
サムソンエナジー(非公開株) 3億2500万ドル

 また、現在のポートフォリオにはないが、過去にはアマゾン、ドリームワークスに投資を行っていたこともある。

 そのオクトパス号は2億5000万ドルだが、ツイッター上では8年以上も戦艦武蔵を探していたことを明らかにしている。海洋資源の保護と探索を主目的として継続的に行ってきた、その副産物が今回の発見につながった面はある。その歴史的に貴重な遺産として、まずはその功績となろう。

 さらに航空宇宙事業「ストラトローンチ・システムズ」では、空中でロケットを発射するという新たな試みを行うために、無人飛行による実験が繰り返し行われているところだ。いずれのこちらもモノになるかもしれない。

 さらには、米2大プロスポーツのチームを保有。超人たちに活躍の場を提供し、特にNFLのシアトルシーホークスは買収時から現在までに価値が10倍以上に高騰しているほどだ。

 また、それ以外にもアレン・インシュチュート・フォー・ブレイン・サイエンスに、5億ドルエボラ出血熱対策へ1億ドルで研究基金を設立するなど、人類の夢に出資。人類の未来にインパクトを与えるには、やはりこのくらいの資金は動かさなくてはなかなか難しい。アレン氏の出資した事業から、もう一つや、二つくらいは、大きな人類にとって足跡を残してくれるかもしれない。

 現在57歳だが、すでに自身の資産の半分を死後、慈善団体に寄付することをすでに公表している。

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