年収1000万円以上の転職の悩み、50%以上が「給与が合わない」

 年収1000万円以上の人は転職では50%が、経験を活かせるポジションがなく、給与・待遇が希望と合わないという現状の悩みを抱えていることが、エン・ジャパンの調査結果によってわかった。

 この調査は転職コンサルタント112人を対象に「年収1000万円以上転職の実態」についてアンケートした結果をまとめたもの。まず、年収1000万円以上とは、国税庁の民間給与実態統計調査によると、割合はわずか3.9%となっており、転職市場においても需給関係がなかなか成り立たない面もある。ちなみに、平均給与は414万円(男性511万円、女性272万円)。

 では、年収1000万円以上が転職で苦労することが多いケースは次のようになった。
1位「経験を活かせるポジションの求人がない」(58%)
2位「給与・待遇が希望と合わない」(54%)
3位「会社方針と転職者の価値観が合わない」(29%)
4位「英語力が不十分」(20%)
5位「上司や同僚からの慰留」(14%)

 年収が上がるほど、求職者が持つ専門性や経験がどれだけ企業の求人に適しているかで採用の可否を判断される上、ポジションが限られるため、各紹介会社が持つ求人数が極端に少なくなることに原因があるようです。また、1000万円以上の年収がある方も、理想や自己評価が上がりすぎてしまい、社外から見た一般的な市場価値と乖離があるケースも見られるということのようだ。

 例えば、東京からのUターン転職の場合、大阪以西では年収20~30%年収ダウンが当たり前。また、年収2000万円以上の人たちは500万円条件ダウンなどでは受けない。また、ウィンドーショッピングのようになってしまうともいう。さらに、縁故やヘッドハンターへの依頼が多く、通常の紹介会社では案件数が少ないという。

 では、年収1000万円以上の転職成功者に共通するポイントは何か。
1位「採用企業の課題を分析し、自分が貢献できる点を伝えられている」(52%)
2位「ビジネスレベルの英語力を有している」(39%)
3位「キャリアの棚卸しが十分にできている」(37%)

 また、転職成功者の年齢の割合は、「40代前半」(30%)「40代後半」(32%)で6割を占めた。「職種」の傾向では、「経営・経営企画・事業企画系」(45%)「営業・マーケティング系」(30%)となった。

 コンサルタントのアドバイスとしては、1年など長期戦で臨むことが大事だという。年収を意識しすぎる人は逆に転職をしない方が良いのだとか。本当に価値観の合う仕事が来るまで待つことも大切だという。また、活動においては自分自身の武器は何なのか、採用で利益がどれだけ生まれるのかと自身で言語化できるようにしておけばよいという。

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