【地価公示】富裕層需要とクジラが上げた京都

 国土交通省が発表した地価公示によると、京都市の住宅地全体で0.3%上昇で、特に中京区、下京区、南区が3%以上の上昇となった。商業地でも、国内外の観光客が増加したことで、ホテルや店舗用地の需要が堅調なために京都市内は平均2.3%上昇している。


 中京区、下京区など億ションが並ぶようになり、東京の富裕層の需要を早いペースで吸い上げているという現状がある。狭い市場にクジラが入ってきて地価を引き上げる要因ともなっている。

 そうした様子は「地元の人間からすれば、人気がないような場所まで上がってきている。東京の不動産デベロッパーやバイヤーなどは交通利便性のみで立地を判断している面もある」と地元業者は言う。

 商業地では京都市は2.3%上昇(前年2.2%上昇)。国内外の観光客が増加し収益性の向上が見られ、ホテル用地、店舗の需要が堅調で、上昇率が昨年より大きくなった。特に、中京区は4.0%上昇(同4.7%上昇)。下京区は3.1%(同2.6%)。南区は3.1%(同2.3%)それぞれ上昇した。また、観光スポットも多い東山区でも、祇園四条駅近辺の上昇も見られる。

 一方で、高所得層が多く居住する郊外の精華町、宇治市などでも下落率が縮小するなどの効果も出ている。

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