J・ロジャーズ氏が詐欺集団の講演依頼受ける痛恨のミス

 利回り100%を保証するという投資スキームを提示した香港の業者主催の講演会に出席した著名投資家ジム・ロジャーズ氏が、「詐欺行為に関しては全く知らなかった」とブルームバーグの取材に答えている。

 この投資スキームは昨年急騰して話題となった仮想通貨のビットコインを使ったもの。昨年には東京で世界最大級のビットコイン取引所のマウントゴックスが破綻したことも記憶に新しい。香港の業者はマイコインという社名で、利回り100%以上を保証し、またユーザーの中には4カ月で100%になったとインターネット上で報告する者まで現れたほどだ。もちろん、真偽は不明だ。

 香港紙サウスチャイナモーニングポストによると、マイコインをめぐるポンジスキームはすでに警察が動き、今年に入ってから詐欺の疑いで当事者ら5人を逮捕していた。香港のオフィスも昨年末にはすでに人影はなくなって、実質的に閉鎖していたようだ。

 マイコインが集めた投資資金は、30億香港ドル(約418億円)とも言われる。ギャンブル志向の強い中国人投資家が引っ掛かったということだ。最初から運用はされておらず、資金は溶けていた可能性は高いのではないだろうか。

 ちなみに、ロジャーズ氏は来日しての講演会も数多く開催しており、日本株を保有する親日家でもある。いまだにカリスマ視する個人投資家も多く集客力が抜群。ただ、投資業界関係者の間では、呼べば来てくれる「お助けマン」という評価も定着している。今回はエージェントが精査していなかったようで、迂闊だったようだ。

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