マクドナルドの5兆円の不動産をREITに、大物ヘッジファンドが提言

 マクドナルドの保有不動産資産は400億ドル(約4.8兆円)以上という巨大なものだが、米著名ヘッジファンド運用会社グレンビュー・キャピタルのラリー・ロビンス氏が、不動産資産をREITに切り離すことで、株価は1株=169ドルまで上昇する余地があると投資家向け書簡の中で明らかにし、株価は1.570ドル高(1.618%)の98.620ドルで取引を終えた。


ラリー・ロビンス氏(左)
 ブルームバーグによると、ロビンス氏は保有不動産をREITにすることで、200億ドル以上の価値を創出することができた上に、株価は1株=169ドルまで上昇する可能性があると指摘しているという。

 REITへのスピンオフという話は、以前にも著名ヘッジファンドマネージャーのビル・アックマン(株主ではない)が述べたことはあった。フランチャイズビジネスとして保有不動産を貸し出して、売上をシェアすることで、本部が利益を得る仕組みとなっている。マクドナルドの保有資産は次のようになっている。

◆マクドナルド保有不動産(13年末)
保有土地 58億ドル
保有建物 147億ドル
賃貸建物 138億ドル
保有施設 53億ドル
その他  5億ドル

 合計は約403億ドルで、負債分を除いた純資産は約257億ドル(約3兆円)となっている。

 2014年通期決算では売上高は12年ぶりのマイナスとなり、トップも交代に。偽装鶏肉、消費者がより健康志向に変化していることや、労働争議など様々な問題があり、先行きに光は見えていない。

 ロビンスのグレンビュー・キャピタルは2013年に運用益でヘッジファンド業界1位となった。また、マクドナルド株式の保有はSEC(米証券取引委員会)のファイル上では記載がなかった。

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