昨年2014年のふるさと納税で最も寄付を受けた自治体は、長崎県平戸市で12億7884万円だったことがわかった。また、受ける自治体の上位は特産品に「和牛」が入っている場合が多いようだ。全体は、2014年度(2013年1~12月)のふるさと納税の寄付総額が141億8934万円に達し、寄付者が多い自治体は東京都で総額約38億円だったことが総務省の調査で分かっている。
総務省の統計によると、2014年は総額で141億8934万円、人数にして13万3928人がふるさと納税を行った。2012年度が突出しているのは、東日本大震災の影響で東北地方の被災自治体への寄付が増えたため。
2010年度 72億5995万円 3万3149人
2011年度 67億859万円 3万3458人
2012年度 649億1490万円 74万1677人
2013年度 130億1127万円 10万6446人
2014年度 141億8934万円 13万3928人
寄付者は、東京、神奈川で3分の1以上を占め、3位の大阪も加えると4割を超える。東京では1人あたり平均で13万円以上を寄付していることになる。
1 東京 38億1424万円 2万8753人
2 神奈川 12億8101万円 1万4190人
3 大阪 12億22万円 1万2754人
4 愛知 7億6311万円 8939人
5 北海道 7億1043万円 4166人
6 千葉 6億6068万円 7453人
7 兵庫 6億3218万円 7376人
8 埼玉 6億1322万円 7652人
9 福岡 4億1742万円 3853人
10 静岡 3億9987万円 2872人
また、ふるさと納税を受けた自治体を専門サイトの「ふるさとチョイス」が集計した結果、1位は長崎県平戸市となっており、全国で唯一10億円を超えた。また、上位陣の多くは「和牛」が特産品として出ることも共通項がある。また、九州勢が強い。
1 長崎県平戸市 12億7884万円
2 佐賀県玄海町 9億3206万円
3 北海道上士幌町 9億1098万円
4 宮崎県綾町 8億3248万円
5 島根県浜田市 6億2170万円
6 鳥取県米子市 4億9511万円
7 山形県天童市 4億7538万円
8 佐賀県小城市 4億2822万円
9 宮崎県都城市 4億121万円
10 大阪府泉佐野市 3億8977万円
※2014年1~12月
平戸市がトップに立ったのはいくつか要因がある。キラーコンテンツである和牛もあるが、
ポイント制が寄与したものとも思われる。寄付額によってポイントが付与され、プレゼントをもらい、その余ったポイントは永久的に有効という点でお得感があったようだ。これは単年度だけでなく、継続的にふるさと納税をしてもらおうという工夫。また、クレジットカード対応、指定日配達など納税者に配慮されている。
寄付件数は合計5万件以上で、単純に人口以上の人数から寄付を受けていることになる。
2位の佐賀県玄海町は、財政力が高い自治体として全国でも知られる。平成25年度の地方税は28億1462万円、歳入合計は約75億円、歳出総額72億3035万円で黒字財政をキープしている。総務省が発表する財政力指数(総務省公表)でも1.19で、東京都港区1.26、横浜市0.95レベルの水準にある。九州電力玄海原発の立地自治体でもあるという要因が大きいが、ふるさとの納税では、特産品で観光資源をアピールしている。