豪邸購入はパフォーマンス低下のサインか

 米大物ヘッジファンドマネージャーのポール・チューダー・ジョーンズ氏が先日、フロリダ州のパームビーチに7100万ドルの豪邸を購入したことが判明した。実は住宅の購入は、今後のファンドのパフォーマンスに大きな影響を与えるという調査結果が存在しており、平均して購入前年から9.36%パフォーマンスが悪化するという。

 パームビーチに6エーカ-という広大な敷地面積の豪邸を購入したと伝えられたポール・チューダー氏。これまでの実績は文句のつけどころがない業界の重鎮であるが、嫌な研究結果がある。

 米フロリダ大学のヤン・ルー氏による852人のファンドマネージャー、1412件の購入、731件の売却データを基にしたの研究によると、過去の良いパフォーマンスが不動産取引(特に購入)につながるとしている。

 良いパフォーマンスをあげることは、インセンティブフィーも高くなるために購入意欲が高まるのもわかる。ただ、その不動産の取引によって、ファンドマネージャーのリスク性向、戦略の取捨選択、アセットアロケーション、投資哲学などに影響をいくらか及ぼす。

 不動産の購入自体が、未来のヘッジファンドのパフォーマンスに対しては悪い影響を与えるというのだ。それは、高額で大型物件ほどその傾向が強くなるそうだ。

 特に顕著なものとしては、オフィスを取得前には、住宅取得平均価格は94.2万ドル、オフィス取得後にはそれが219万ドルにまで跳ね上がる。今回のジョーンズ氏の取引は、7100万ドルという巨額のものだけに今後が注目される。

 レバレッジが低いファンドマネージャーの場合でも2.01%リスクが総合的に高まり、また、年齢で見ると、比較的に年齢が若いファンドマネージャーについては、12.92%多くリスクを取りたがる傾向にあるそうだ。ちなみにベテランの場合は自制心が利くのか、1.11%となっている。

 以次の2つのグラフは、年ごとの取引件数。そして、パフォーマンスごとの取引件数を示したもの。株式市況の好不調によって取引数の増減があるということや、パフォーマンスの良し悪しで取引数の増減があるということが示されている。



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