バーナンキ元FRB議長が大手ヘッジファンドのシタデルへ

 元FRB(米連邦準備制度理事会)の議長だったベン・バーナンキ氏が、米大手ヘッジファンド運用会社シタデル・インベストメントに、シニア・アドバイザーとして加わることが、米NYタイムズの報道で明らかになった。

 バーナンキ氏のシタデルでの役割は、投資委員会に投資材料を分析をしたり、顧客投資家に向けた情報発信なども行う。業績連動型の報酬は受け取らないという。また、契約は専属ではなく、他の金融機関や運用会社との掛け持ち可能だという。

 シタデルは米シカゴが本拠地で、200億ドル以上の運用資産総額を誇る大手ヘッジファンド運用会社。創業者のケネス・グリフィン氏は、NYタイムズの取材に、グローバル資本市場についての卓越した知見を評価しているとしている。

 運用成績は相変わらず良いものの、昨年からは自身と夫人の間で係争中の離婚訴訟が報道されるばかり。同社からは久々に良い話題が出たことになる。

 米国は公的機関の要職を退官した後は講演料もアップし、ロビー活動のコンサルタント料ももらえるなど、民間人に戻ると、経済的には良い思いをすることが多い。FRB議長を退いた後のバーナンキ氏の講演料は1回で20万ドルとも言われている。他にもヘッジファンド運用会社に「天下った」要人は多い。

 元FRB議長のアラン・グリーンスパン氏も、NY大学の後輩であるジョン・ポールソン氏率いるポールソン&カンパニーにアドバイザーとして就任。また、前ジェレミー・スタインFRB理事は、ブルーマウンテン・キャピタルでアドバイザーに。ティモシー・ガイトナー前財務長官は、大手PEのウォーバーグピンカスの会長に就任している。

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