東京の幽霊億ション化を暗示するロンドンの事情

マネロン資金に頼る英高級不動産マーケット

 英不動産会社サヴィルズの調査によると、2013年にロンドン市内の新築高級住宅の9割は外国企業(オフショアカンパニー)が購入しているという。新築高級住宅・マンションの需要はほとんどが外国人頼みという、実は異常なマーケットを形成していることがわかる。

 購入していると見られるのは、東欧、ロシア、中東、北アフリカ、中国などではないかと見られている。では、その名義上のオーナーとなるオフショアカンパニーの主な所在地だが、次のようになる。

       物件数   割合 
BVI    1万3831  33.96%
ジャージー  5960    14.0%
マン島    3472    8.50%
ガーンジー  3280    8.00%
パナマ    1400    3.44%
その他(不明)1030    2.53%

 英領バージン諸島が全体の3分の1以上を占める。では売買、登記など取引事項の諸々に関係するアレンジメントは誰が関わっているのか。大方の予想に反してか? 
不動産エージェントなどは0.1%以下しか占めておらず、実際には銀行が82%という大勢を占めていることがわかる。

 すべてがグレーなお金だとは言わないが、表には出せないような性質のものもたくさんあるということ。リビアの故カダフィ大佐が保有していたロンドンの豪邸は、1000万ポンド。所有者の法人名義はオフショア籍の「キャピターナ・シーズ」となっていた例もあった。


左からカダフィ大佐の豪邸、ナイジェリア・デルタ解放軍 アイボリー将軍の豪邸

1 2 3
よかったらシェアしてね!
目次
閉じる