英国長者番付が英紙サンデータイムズから発表され、1位はワーナーミュージックのオーナー、レン・ブラバトニック氏で、131億ポンド(約2.36兆円)だった。全体では2009年と比較して、リストの大富豪、超富裕層たちの資産総額が2倍以上に膨れ上がっており、エリザベス女王が初めて上位300位から外れるという現象が起きている。
リッチリスト掲載者の総資産額は5470億ポンドとなり、2009年の2580億ポンドから2倍以上と大幅増額されている。その影響なのか、同紙のランキングからエリザベス女王が初めて圏外の302位に転落するということになった。
英国富裕層は上位5世帯だけで、最貧層20%の富より大きいということもNGOによる昨年の調査結果(282億ポンド対281億ポンド)で明らかになっているほど。いかに女王の資産額が増加しようとも、株高と不動産高の状況では、周囲の資産増額はさらに早いということでもある。
エリザベス女王の資産は運用機関クラウン・エステートが管理、運用している。利益は英国政府の国庫にいったんすべて納められて、そこから15%が女王に分配される制度になっている。順位こそ落ちたものの、ロンドンの不動産価格が上昇していることもあり、資産総額自体は増加しているのだ。
2014年の資産総額は対前年比15.7%増の94億ポンド。利益は同5.7%増で、2億6710万ポンドと過去最高を記録している。また、ベンチマークに対してもリターンは20%上回っており、ここ3年間のトータルリターンは15.9%と好調である。
主な不動産資産からの売上高と資産額は次のようになっている。
◆ロンドン中心部
・売上高2億4890万ポンド
・資産額68億6700万ポンド
◆炭鉱など
・売上高4850万ポンド
・資産額15億5900万ポンド
◆ウィンザー
・売上高790万ポンド
・資産額2億2500万ポンド
◆エネルギーインフラ
・売上高4550万ポンド
・7億5900万ポンド
2005年から売上高は2億4540万ポンドから、10年で3億5080万ポンドに増加。同じく利益も1億8480万ポンドから2億6710万ポンドまで増加している。
資産も2005年の50億9000万ポンドから、10年で98億7600万ポンドまで増加している。