トヨタ自動車が種類株「AA」発行、5年目で2.5%

 トヨタ自動車が、譲渡制限付きの種類株「AA型種類株式」を発行することになった。初年度は年率配当が0.5%で、毎年0.5%ずつ上乗せされ、5年目以降には2.5%という条件で、議決権行使もできる。投資家からは買値でトヨタが買い取るという転換社債に似た形式を取る国内初の種類株となる。国内個人投資家の中長期保有を念頭に置いており、投資家にとっては、同社がつぶれない限りは元本が毀損することはないという条件になる。


 この種類株は、昭和11年に製造のトヨタ初の乗用車「AA型」から名前を取って、AA型種類株式と名付けられている。今後の中長期にわたる次世代イノベーションの研究開発と、投資サイクルが中長期スタンスの株主の投資方針とをマッチさせることで、資金バランス、ガバナンス効果などに期待している。

 種類株発行にあたって普通株式の希薄化回避のため、第1回目のAA型種類株式の発行株式と同数程度の普通株式の「自己株式取得」もあわせて行う。

 トヨタ自動車の配当は現在、おおむね2%前後で推移している。現行の水準のままで行けば、最初の4年間は配当利回りで劣ることになる。元を取れるのは5年目以降ということになり、まさしく中長期で保有しなければ何らメリットはないようだ。

 
 発行価格は普通株式の120%以上に設定されるため高いと感じるかもしれない。会社がつぶれない限りは元本の毀損されるリスクはない。トヨタ株がまだ上昇すると考えるなら、5年間拘束される種類株よりも普通株の方が良いだろう。

 種類株は6月の定時株主総会での承認後、別途取締役会にて詳細を決定される。2回目以降は未定(原則として1年に一度を越えない頻度を予定)。発行株数は、1回目が5000万株を上限とする。



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