富裕層の最大の悩み、それはハードワークがやめられないこと

 富裕層は現在の資産を守るためにハードワークを止めることができない一方、家族と過ごした時間が少ない点を後悔したり、仕事をリタイアしたいとも考えている独特の苦悩が、UBSウェルスマネジメントの調査結果で浮かび上がった。だが、資産が増えて超富裕層になれば、生活の満足度が上がるとも答えている。

資産築くも守るもハードワーク

 この調査は、資産100万ドル以上の富裕層2215人を対象に今年3月に聞き取りで行われたもの。調査対象者となった富裕層の半分以上が資産500万ドル以下であった。

 77%がミドル層かその下の層から上がってきたと答える。そして、85%がハードワークで成功したと感じ、44%がそれが富裕層になるための最も大事な要素だと考える。

 努力の結果であるとの自負が調査結果からもわかるが、実は資産防衛の手段もそうなのだ。3分の2以上が、資産防衛のための最も有効な手段はハードワークであると考えている。つまり、資産を築くために、また、その資産と家族を守るために、ハードワークをし続けなければならないというジレンマに陥っているのだ。

 調査対象者の一人である65歳男性(100万~200万ドル)は、そうした心情を次のように答えている。

 「ミドルの時期までには、仕事に時間を割きすぎた。家族と過ごす時間が短く、後悔している」

 この調査結果は世間的には知られていない富裕層の別の一面を見ることができる。

 「トレッドミルに乗っていると感じるが、それを降りることができない」という問いに対して52%が、そのように感じていることが分かった。ラットレースのように仕事をしているという自覚がありながらも、トレッドミルを降りることはできないと感じている。

 もしも、現在の状態を抜け出すことができるなら、何をしたいと考えているのか。

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