維持費年間3000万円、頭悩ませるプール付きタワーマンション

将来はプールが温泉に?

 富裕層や高所得者向けアピールとして、デベロッパーがプールを流行させたことは否めないが、ある大手デベ社員は「デベによっては、管理の仕事を取るという意味もなかったわけではありません」ともいう。

 もちろん、賃貸でもプール付きタワーマンションに住むことは可能だ。自身の職場に近い新宿区のプール付きタワーマンションに賃貸で住み始めたという30代の男性デザイナーは、マンション施設内のプールもフィットネスジムも週に2、3度は利用するのだという。会費は月に3万円必要だという。分譲よりも割高ではあるが、こちらは賃貸なので一生付き合う必要もないために、ある意味で賢い選択でもある。

 仕事などが空いた時間に、手軽に運動できるということで選んで正解だったそうだ。

 分譲に話を戻すが、30、40代の住民は多忙でなかなかプールを使う暇がない。高齢になるとそんな体力もない。そうするうちにみな使わなくなっていく悪循環に陥り、プールの使い道は今後どうなっていくのだろうか? 前出の港区のタワー住民は、「自分が定年退職をした頃は、みんな高齢化しているだろうし、プールが温泉になっていたりしませんかね」ともいう。

 何も、プールがあるのは悪いことばかりではなく、出不精になりがちなタワー住民には、本来は使い勝手は良い施設のはずだからだ。使っても、使わなくても自分たちの共用施設として一生、付きまとう。

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