NY不動産は売り時? 大富豪スリム氏は、ベンジャミンハウスを95億円で売却へ

 世界的にも有数とされる米ニューヨークのタウンハウス「Benjamin N. Duke House」(ベンジャミン・N・デュークハウス)が8000万ドル(約95億円)で売りに出されていることがわかった。現在のオーナーは大富豪カルロス・スリム・ヘル氏(75)で、2010年に4400万ドルで購入しており、この価格で売れれば倍近いリターンとなる。


ベンジャミン・デュークハウス
 告示しているサザビーズインターナショナルリアルティの資料によると、「ベンジャミン~」は1901年に竣工した築100年以上のボザール様式の歴史的建造物。地上8階建て、延べ2万平方スクエア、25部屋、8ベッドルーム、10バスルーム。米タバコ産業の父であるベンジャミン・デューク氏の持ち物であり、以来、ベンジャミン家が所有し続けてきた。

 2006年に、オーナーが代わる。ロシア移民でタクシー運転手から、原油先物投資、不動産投資で総資産10億ドル以上を築いて成り上がった立志伝中の人、タミル・サピール氏が4000万ドル(約48億円)で買い取った。

 しかし、サピール氏は2010年に、事業の資金繰りのために4400万ドル(約52億円)とあまり利を乗せることができないまま、スリム氏に売却した。

 「ベンジャミン~」はNYメトロポリタン美術館の正門から、1本の通りをはさんで向かいに立地するトロフィー物件でもある。スリム氏は購入当時は居住の意図については特に話をしておらず、純投資物件として考えていたのだろう。

 クリスティーズがまとめた高級不動産市場のの調査結果によれば、NYは2013年は買い手市場だったが、2014年はニュートラルとなっている。2015年以降の買い基調が続くかどうかはわからない上に、価格も上昇しているために、ここが売却のタイミングと見ているようだ。



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