日本人超富裕層は世界屈指の海外不動産投資家

 日本の資産3000万ドル以上の超富裕層の不動産投資額総額は約6210億ドルに上ることが、英不動産調査会社などのレポート結果で明らかになった。また、失われた20年以降で海外不動産投資も積極的に行っていることも判明している。

 これは、英不動産調査会社サヴィルズ、英不動産デベロッパーのキャンディ&キャンディ、ドイツ証券による調査レポートの結果で明らかになったもの。

 日本にはアジアで最大となる1万4270人の超富裕層がいる。不動産投資額が多い順番では、ドイツ、日本、米国、英国、中国と世界では2番目となる。特に超富裕層6万5505人を擁する米国よりも投資額は多い。

 世界最大の不動産投資王国ドイツはもともと、不動産の価格変動が小さい市場であったが、現状が歴史的な低金利ということ、さらには、G7の中では大都市部でもまだ不動産価格が比較的に安いことから投資熱が上がっているということもある。レポートでは、フランクフルト、ミュンヘン、ハンブルクなど国内投資が中心という傾向が出ている。1万7820人の超富裕層の資金9450億ドルが魅力的な国内不動産に流れ込んだ。


 日本だが、レポートでは、失われた20年の間は国内不動産がずっと冷え込んでいたために、また、円高で為替上は有利だったことを理由に挙げている。その間に、日本の超富裕層は世界でも類を見ない海外不動産投資家となっていたのだった。

 海外不動産投資の総額は正確には記されていないが、かなりの超富裕層が海外不動産投資をしていることがグラフからは読み取ることができる。国外財産調書(海外資産5000万円以上保有の場合に記載して税務署に提出)が制度化されたが、こうした傾向で国税庁も把握が必要になったということか。

 また、超富裕層が不動産投資を行う世界五大都市は、香港、ロンドン、モスクワ、シンガポール、NYとなっている。

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