2014年のモナコ公国の国内不動産の取引が、ピークだった2007年を超えて27億ドル(約3270億円)に達したことがわかった。米CNNマネーが、英不動産コンサルタントのサヴィルズの話として伝えているもの。
まずは、為替でユーロ安になったことで、米ドル、英ポンド、スイスフランなどの資金が流れ込んできたことも大きい。さらには、元々はロシア人富裕層の購入が多いが、英国の政権交代予想によって新たな不動産税制が敷かれることが確実視されていたことなど、リスクヘッジとして選択したことも考えられる。米国の徴税強化もあるだろう。
今年はさらに、世界最高額のペントハウスになることが決定的となっている、トゥール・オデオン(Tour Odeon、3億8700万ドル)が今年竣工することで大きな話題となっている。最高価格のオプランは、約400億円というウォータースライダー付きのペントハウスで、「Oneハイドパーク」(英)、「432パークアベニュー」(米)、「One57」(米)など名だたる物件を超える。
モナコの高額物件の買い手の国籍は次のとおりだという(英ナイトフランク調べ)。
ロシア 35%
イタリア 25%
その他欧州22%
英国 10%
アジア 4%
その他 4%
昨年末の原油安から危機回避行動を取っているロシア人富裕層は今年はどう動くのか。様々な思惑をともなって、今年もモナコ不動産の人気は続くかもしれない。