史上最高8000億円の「離婚大富豪」誕生か

 ロシア一の大富豪であるウラジミール・ボタニン氏(54)が、前夫人との離婚の解決において財産分与として総資産の半分を要求していることが、現地メディアの報道でわかった。ボタニン氏の総資産は145億ドル(約1兆8000億円)のため、要求額は70億ドル以上(約8000億円)で、これまでの離婚解決金としては史上最高額となる。


ウラジミール・ボタニン氏
 前夫人のナターリヤ氏は米CNNに出演し、30年に及ぶ結婚生活の解決金として夫側から提示された条件は、生活費と3人の子供の養育費として毎月25万ドル、さらには、モスクワ、NY、ロンドンの不動産を使用を許可するというものだったという。

 ボタニン氏は世界最大のニッケルメーカー「ノリリスク・ニッケル」の創業者であり、同社の筆頭株主でもある。同社株式の時価総額は1兆5400億ルーブル(約3兆5000億円)で、うちボタニン氏は30%を保有している。

 支配株主のため、そうなると懸念されるのは会社への影響。昨年、米石油王ハロルド・ハム氏は離婚訴訟の際に、コンチネンタル・リソーシズの株式をどれだけ手放さなければならないかという懸念が一時は株式市場でも話題となったが、大部分は手放さずにすんだ。現在も筆頭株主&経営権の両方を維持しているが、万が一もあり得ないわけではない。

 また、ナターリヤ氏によると、ボタニン氏はこれ以外にもオフショアに隠している資産もあると述べている。ボタニン氏は昨年、ダンサーの女性と再婚している。これまでの離婚解決金で史上最高額となった(下図参照)、ドミトリー・リボロフレフ氏とエレナ夫人(45億ドル)の場合は浮気が原因となったのだが、自身の娘名義で超高級不動産を購入するなど自分名義の資産を減らしていた。また、不明となっている資産が他にもあるとも言われている。

 ちなみに、ボタニン氏は、ビル・ゲイツ氏らが提唱する「ギビング・プレッジ」(自身の死後に総資産の半分を寄付する)に賛同し名前を登録している。いずれは自身の資産が半分消えることは確定しているのだが…。

 ロシアの離婚の財産分与は50%が基本でもあり、いずれによせ、史上最高額の離婚解決金記録を樹立しそうだ。

 ◆これまでの離婚解決金ランキング
1 ドミトリー・リボロフレフ&エレナ  45億ドル
2 ルパート・マードック&アンナ    17億ドル
3 バーニー・エクレストン&スラビカ  12億ドル
4 ハロルド・ハム&アーナル      11.9億ドル
5 アドナン・カショギ&ソラヤ     8.7億ドル
6 スティーブ・ウィン&エレーン    7.4億ドル
7 クレイグ・マッコー&ウエンディ   4.6億ドル
8 メル・ギブソン&ロビン       4.2億ドル
9 ロバート・ジョンソン&シェイラ   4.0億ドル
10 アーノルド・シュワルツエネッガー&マリア 3.7億ドル
※敬称略

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