日本の富裕層人口は2013年から2014年までに約5万人増加し、112万5000人であることがわかった。世界では米国、中国に次いで3位。家計金融総資産は14.3兆ドルで1.6%増と、アベノミクスによる伸びも鈍化している。人口では米国の6分の1、中国の3分の1。ボストンコンサルティンググループの調査グローバルウェルス・レポート2015によって明らかになったもの。
世界の富裕層人口は1700万人で、2014年は前年比12%増加。富裕層の総資産額は現在、世界の富の41%を占有しており、2019年までには占有率が46%になると試算している。
日本は前年比4.7%の増加となったが、すでに2014年は伸びが鈍化しているのが目立ち、米国、中国に差をつけられている。日本は全世界の資産の9%を占めているが、2019年には7%とその割合が低下すると試算されている。
資産額の算出にあたっては、現金もしくは、有価証券など換金性の高いものを対象にしている。一方で、不動産、動産(美術品やコレクターアイテム)など換金性が低いものはのぞいている。そのため、クレディ・スイスが発表する富裕層調査よりも人口や資産額は少なくなる傾向にある。不動産価格の高い日本の富裕層には少し不利となることは、最初に触れておく。
◆富裕層人口
1 米国 690万6000(659万5000)
2 中国 361万3000(242万5000)
3 日本 112万5000(107万4000)
4 英国 73万1000(60万6000)
5 スイス 46万1000(41万5000)
6 カナダ 41万8000(36万2000)
7 ドイツ 35万(33万8000)
8 台湾 32万5000(31万)
9 イタリア 29万1000(27万1000)
10 ロシア 24万2000(19万8000)
11 フランス 23万(22万5000)
12 香港 22万9000(21万)
13 オーストラリア 21万5000(18万2000)
14 オランダ 18万7000(15万8000)
15 ベルギー 16万4000(15万5000)
富裕層人口は米国、中国の伸びが最も大きい。中でも中国は増加数、伸び率ともに最大で361万世帯で、日本の3倍となった。これは2014年を対象とした統計のため、2015年に入ってから現在も上海総合指数は、2007年の高値水準にまで近付きつつあり、2015年時点ではさらに増加していることは想像できる。
また、人口1000人あたりで、どれくらいの富裕層が分布しているか。その割合としては、スイスが13.5%で最も高かくなった。中東など産油国でしかも人口が少ないバーレーン、カタール、クウェートなどが有利だが、上位に顔を出している。アジアからは、シンガポール、香港、台湾が入っている。
◆富裕層密度(人口1000人あたり)
1 スイス 13.5%
2 バーレーン 12.3%
3 カタール 11.6%
4 シンガポール 10.7%
5 クウェート 9.9%
6 香港 9.4%
7 米国 5.6%
8 イスラエル 4.9%
9 台湾 3.9%
10 UAE 3.8%
11 ベルギー 3.0%
12 オマーン 3.2%
13 カナダ 3.0%
14 英国 2.7%
15 サウジアラビア 2.6%