アローラ165億円、移籍金ロナウド超え

 外国人と高齢者。1億円以上の役員報酬開示制度で、上位に顔を出すのはどちらかである。2015年3月期の有価証券報告書で開示情報を基に東京商工リサーチがまとめた役員報酬額のランキングは次のとおり。なお、2位カルロス・ゴーン氏は、商工リサーチの発表後に付け加えた。

◆高額報酬ランキング(氏名、会社名、報酬額)
1 ロナルド・フィッシャー ソフトバンク 17億9100万円
2 カルロス・ゴーン    日産自動車  10億3500万円
3 里見治         セガサミー  4億7700万円
4 松浦勝人        エイベックス 4億4000万円
5 岡村幸彦        アイセイ薬局 3億7000万円
6 千葉龍平        エイベックス 3億1100万円
7 家次恒         シスメックス 2億9300万円
8 峰岸真澄        リクルートHD2億6900万円
9 小林健         三菱商事   2億6600万円
10 岡藤正広        伊藤忠商事  2億5900万円
※敬称略


ニケシュ・アローラ氏
 10位までは上記のとおりだが、ここでの主役はランキング外のソフトバンク副社長のニケシュ・アローラ氏だ。2014年10月から15年3月までの半年間に、総額165億5600万円の報酬を得ていることが明らかになっている。開示制度が始スタートして以来、過去最高の金額だ。

 厳密に言えば、アローラ氏は今年6月からソフトバンク副社長であり、今後についても孫正義氏に後継指名されたが、15年3月期においては取締役ではないために、ランキングからは外している。

 ちなみに約166億円の報酬総額の内訳は次のようになる。入社一時金が145億6100万円で、株式による報酬が19億9500万円だという。まるで有名サッカー選手並みであるが、クリスチャーノ・ロナウド選手は2009年の移籍の際には、推定で9400万ユーロ、現在のレートで約130億円の移籍金が発生したとされる。

 日本企業でも今後はトップ人事においての移籍の際には、超高額な「移籍金」を上乗せする前例となるかもしれない。

 ランキング1位もソフトバンクのロナルド・フィッシャー氏。2位カルロス・ゴーン氏は初の10億円超えとなった。

 上記のランキングは2015年3月期が中心だが、過去には次のような10億円超えの高額報酬受給者が出た。

 ユーシンの田邊耕二氏は、2014年11月期に14億500万円の報酬を得た。同社は後継社長を二度も外部から公募したことでも知られている。最終赤字にも関わらず、こうした高額報酬が取締役会で決議されたことで、同社のガバナンスに疑いの目が向けられもした。

 樫尾俊雄氏らカシオ計算機の創業兄弟をはじめ、他の高額報酬者はその内訳が役員退職慰労金である場合がほとんど。

田邊耕二 ユーシン   14億500万円
樫尾俊雄 カシオ計算機 13億3300万円
橋本浩  キョウデン  12億9200万円
樫尾和雄 カシオ計算機 12億3300万円
御手洗冨士夫 キヤノン 11億500万円
樫尾幸雄 カシオ計算機 10億8300万円
フランク・モリッヒ 武田薬品 10億1600万円
※敬称略

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