日本の富裕層女性が好きなもの「日本文化、肉食男子、長期投資」

 電通とハースト婦人画報社は「日本の富裕層世帯を対象にした女性の意識・消費行動調査」を行い、こづかい、投資動向、価値観などをまとめた。5つのタイプに大別して分析しており、また、非富裕層の一般女性と比較して、外国文化よりも日本文化に関心が高く、草食系男子よりも肉食系男子が好きなことなどが明らかになっている。


※写真はイメージ
 この調査の対象は、東京50キロ圏在住の世帯純資産1億円以上、または世帯収入2000万円以上の20~60歳代女性309人(有効回答)。比較している一般女性のデータは電通が保有する「d-campX調査」を使用。また、ここでの世帯資産は、現預金と有価証券以外にも不動産などの実物資産も加えている。

 一般女性との対比で判明した富裕層女性の動向は次のようになった。

 ◆1カ月あたりの自由に使えるお金◆
 1カ月で自由に支出する金額が一般女性は93.3%が5万円未満だが、富裕層女性は27.5%が20万円以上(上限なし16.8%を含む)を支出していた。40%以上は月に10万円以上となっている。

 ◆資産運用◆
 資産運用に関心がある富裕層女性は61.5%(一般女性25.5%)、実際に積極的に行っているのは35.0%(一般女性7.2%)と両者の間にはかなりの開きがある。また、富裕層だけあって投資対象においても知識が豊富なのか、手広く分散投資が行われているようだ。特に日本株は、65.4%が行っており(一般女性6.3%)、10倍以上の差がある。それと同様に海外株式、日本国債、外国債券、金など他の投資対象でも一般女性との間には大きな開きがあった。

 ◆その他投資対象◆
・スポーツ 富裕層女性は一般女性よりもスポーツを積極的に行う。健康に配慮し、スポーツクラブやヨガ・ピラティス、また比較的金額がかかるゴルフなどのスポーツにも積極的。

・教育 富裕層女性は子供の教育にも積極的で、お金を惜しまず、私立に通わせたい(通いたい)、留学させたい(したい)といった意識が強い。「教育にはお金を惜しまない」と回答した一般女性の45.0%に対し、富裕層は74.8%と高かった。

・美容 美容関連の支出にも積極的だった(一般女性22.3% 富裕層44.3%)。

 ◆意識・価値観など◆
 富裕層女性はつつましやかさ、奥ゆかしさに共感を覚える傾向があるのか、その影響として、海外文化よりも日本文化の方をより好む傾向が見られた。(海外文化13.6%、日本文化54.0%)。投資でも短期志向19.7%に対して、中長期志向が50.5%と高い。男性の志向でも草食系男子13.3%に対して、肉食系男子36.6%と約3倍になった。


 では、日本の富裕層女性を5つのタイプに分類するとどうなるか、比率と特徴とともに見てみることにする。

しっとり・大和撫子タイプ 20.1%
全力投球・人生謳歌タイプ 20.1%
ふんわり・守られタイプ  17.8%
ミーハー・キラキラタイプ 24.9%
無自覚・隠れタイプ    17.2%

【タイプ1:しっとり・大和撫子タイプ】
 5グループの中で50歳以上の比率が最も高く50.0%に。年金受給者も多く、年収は56.5%が2000万円未満だが、世帯純資産1億円以上が74.2%にのぼるストックリッチに当てはまる。消費意欲や情報感度が低いが幸せ度は高い、とされ、長期的利益を重視(54.9%)し、貯蓄型(将来に備えてお金をためている88.7%、安定志向72.6%)のディフェンシブな投資性向を持つ。世帯の主な収入は年金受給(21.6%)。

【タイプ2:全力投球・人生謳歌タイプ】
 F2(35~49歳)比率が43.5%と比較的に高い。年収2000万円以上が72.7%、1億円以上が6.5%、世帯純資産1億円以上も59.6%と、フロー&ストックが潤沢なタイプ。いずれの資産も潤沢なためか、行動様式は積極的で、エコや省エネなど社会貢献への関心が高い。有職者が多い。

【タイプ3:ふんわり・守られタイプ】
 F2(35~49歳)比率が最も高く、60.6%を占めた。年収2000万円以上が71.0%、1億円以上が5.5%、世帯純資産1億円以上は60.0%とフロー&ストックともに潤沢である。全力投球タイプとの違いは、主婦が多く男性に守られたいと感じている点だろう。夫が管理職(26.1%)や医師(19.6%)であることが多い。

【タイプ4:ミーハー・キラキラタイプ】
 5グループの中で、F1(20~34歳)比率が最も高く、29.9%となっている。年収2000万円以上が80.5%、1億円以上が9.1%に上る。世帯純資産1億円以上は53.3%。有職者が多く、ブランド・ステータスのあるものを好むなど、全力投球タイプに近い傾向があるようだ。

【タイプ5:無自覚・隠れタイプ】
 F1(20~34歳)比率が28.3%で、5グループの中で最も未婚者比率が高く41.5%を占める。年収2000万円以上が69.8%で、1億円以上が5.7%。世帯純資産が親の資産であるため、純資産額を把握していない人が32.1%と最も多く、夫や親が経営者(23.4%)である比率が高い。

 また、特徴としてタイプ2~4(全力投球・人生謳歌タイプ、ふんわり・守られタイプ、ミーハー・キラキラタイプ)は、不動産投資を行っている割合が高く、輸入車保有、高額消費の割合も高くなっている。


よかったらシェアしてね!
目次
閉じる