衆参両院は、昨年2014年分の議員所得に関する報告書を公開した。同4月で歳費の2割カットが終了したために、1人あたりの平均所得は上昇し約2427万円に。株式や不動産の売却益を出している議員もいるが、その中でも、1位の渡辺美樹氏の報酬は、12億8109万円というケタ違いの金額で1位となった。外国株式11億円分の譲渡が収入を押し上げた。2位は鳩山邦夫氏で2億9491万円、3位高木宏壽氏までが1億円超だった。
外国株と海外投信で12億円
復興特別財源、消費税増税などもあり、議員歳費も2割カットが続いていたが、昨年5月からは元に戻ったために、月額ベースで約26万円増加している。上位10人は次のとおりとなった。ほとんどが議員歳費以外に、安定収入を持っているのが特徴だ。
◆2014年報酬ランキング(議員歳費、その他所得含め)
1 渡辺美樹 128109
2 鳩山邦夫 29491
3 高木宏壽 17118
4 岡本三成 9417
5 桜田義孝 9277
6 今井雅人 8042
7 穴見陽一 7751
8 新谷正義 7732
9 河野正美 7641
10 中西健治 6302
※単位:万円
特に1位の渡辺氏は言うまでもなく飲食チェーンのワタミ創業者。内訳は外国株式の譲渡益が大半を占めており、あとは外国投信の分配金、貸付利息などが歳費と役員報酬以外にあった。
・株式譲渡 11億3184万円
・外国投信分配金 7811万円
・貸付利息 2136万円
・歳費、役員報酬 4975万円
株式譲渡益が押し上げた形で、安定王者の鳩山氏を抜き去った。ちなみに、多くの資産がワタミの株式だが、資産管理会社「有限会社アレーテー」が約150億円程度を保有しており、同社の代表者は家族のために資産公開義務はない。有価証券は16億円を保有しており、また、自らファンを公言するオリエンタルランドの個別株1000株も保有している。
このレベルの民間人が政治家になると、民間レベルの報酬が高いため、議員活動での制約が大きく基本的に収入は下がるため、金銭面のみで考えれば割に合う仕事ではない。また今後は、副大臣、政務官などに就任すると、規定によって役員報酬も受け取れなくなる。