【ザ・パークハウスグラン南青山】節税対策に迷惑料発生で計画狂った契約者

迷惑料は一時所得として申告

 「ザ・パークハウスグラン 南青山高槻町」は、1億4000万円から募集されていたが、仮にこのプランを購入した場合はどうなるか。

 すでに施行主の鹿島から契約者に対しては、手付金1割、迷惑料1割に加えて、引越しを伴う場合の家賃保証の実費が支払われたことが発表されている。元々は損金になるはずだったのだが、迷惑料1割が支払われてしまうことで利益が出てしまった。

 宅地建物取引業法によると、契約の違約金は10分の2の範囲内であれば認められるが、このケースもその範囲内に収まっている。その手付流し、もしくは手付倍返しが行われた場合には、「一時所得」となり課税されることになるが、計算式は不動産事業者と、一般の人とは異なるが、後者の場合は次のようになる。

 {総収入額 - 支出額 - 特別控除額}÷ 2  ※特別控除額は50万円

 ちなみにこのケースでは、違約金に該当する迷惑料1400万円を当てはめて、支出が0円、特別控除額50万円を入れて計算すれば、675万円となる。そして、この675万円を本業など他の収入と合算させることになる。慰謝料的な性質もあり、ほぼ半額は控除されるために悪くはないようだ。

 今年6月に改めて募集した際には、1億5000万円~7億7000万円(最多価格帯1億5000万円、60.21平米~222.37平米)という条件で、販売戸数全20戸が即日完売となった。契約者属性は港区(25%)、渋谷区(15%)、40歳代(25%)、50歳代(25%)だった。平均坪単価は約800万円となるが、ブリリアタワーズ目黒が同約600万円となるなどこの1年間でさらに上昇の傾向が出てきている。そのため、南青山5丁目という立地を考えれば、価格がほぼそのままになっているのは、こちらもお詫び込みということだろう。

 大きな資産だけに、それだけリスクを伴うということを再認識させられる事件だ。※一部訂正しております。

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