富裕層の75%が、資産を失った場合でも人生の意味は変わらない考えていることがわかった。資産はそれまで築き上げてきた人生の証でもあるが、意外にもアッサリしたものだ。しかし、自身の子供が一族の資産をうまくマネージメントできると思う人は22%、資産をすべて子供に教える人は36%と相続や資産の継承に二の足を踏む傾向が強いことが、米信託銀行USトラストの調査結果によって明らかになった。
この調査は、投資可能資産300万ドル以上を保有する富裕層640人を対象に行われたもの。プロフィール区分は次のようになる。
◆男女比
男性57%、女性43%。
◆投資可能資産
300万~500万ドル55%
500万~1000万ドル32%
1000万ドル以上13%
◆年代
ミレニアル世代(18~34歳)16%
ゼネレーションX(35~50歳)23%
ベビーブーマー(51~69歳)47%
高齢世代(70歳以上)13%
◆世帯年収
20万ドル 36%
20万~29.9万ドル 21%
30万~44.9万ドル 16%
45万~99.9万ドル 14%
100万ドル以上 13%
人生の目的を持っているとした人は94%に上る。ただ、もしも資産を失ってしまったらどうなるのか。人生の意味や目的は何も変わらないと考える人が75%に上った。特に資産額が大きな人ほどその傾向が顕著に表れた。
・1000万ドル以上 84%
・500万~990万ドル 78%
・300万~490万ドル 71%
自分自身で築いた富、あるいは受け継いで管理してきた富を自身で失うことにはためらいはないようだが、しかし、この富を次世代に継承するにあたっては、かなりの葛藤に陥っているようだ。子供とは言えども、自分以外の人間の手によって富を失われてしまうことは我慢ならないということなのだろうか。
富が家族間の人間関係に良い影響を与えていると考える人は75%、逆に悪い影響を考える人は25%だった。ただし、お金の話題でも、相続となると途端に別の話に変わる。
自身の子供が、自分と同じくらい稼げるようになるかどうかという点については、16%しかそう思っていない。自分と同じだけ稼げるようになるとは思っていないということだ。また、子供がファミリーの資産をうまくマネージメントできると思う人は22%で、裕福になるよりは慈善的になってもらいたいと考える人が60%を占めた。
相続において、子供にいくら相続したいのか話す人は27%、資産をすべて子供に公開する人は36%だけだった。また、(子供にとっては祖父にあたるなど)自身はいくら相続したかについて子供に話す人は13%に過ぎなかった。お金に対する矛盾する感情には、結局のところは一生逃れられないようだ。