仏高級ブランドのエルメスを代表するハンドバッグである「バーキン(Birkin)」。その名前の由来である女優ジェーン・バーキンさんが、エルメスに対して名称を使用しないよう求めた。それに対して、エルメスは今のところ公式見解を発表していない。
バーキンは80年代に、エルメス第5代社長のジャン・ルイ・デュマ氏が、飛行機で隣席だった女優ジェーン・バーキンさんのバッグを見て、整理せずに何でも入れることができるバッグをプレゼントしたことに由来する。その後パリで会ってハンドバッグを受け渡しする際にデュマ氏から名前の使用について尋ねられ、ここからバーキン使用が始まったようだ。主な高値は次のようなものがある。
2011年 20万3150ドル ポロサスクロコダイル
2014年 22万2000ドル ヒマラヤンバーキン
2015年 172万香港ドル バーキン
バーキンさんが要請した理由として、生産過程において原料となるワニの扱いについて改善を求めていることを挙げている。
原料となるワニの扱いについては、動物愛護団体PETA(People for Ethical Treatment ob Animal)が先日、米テキサス州やジンバブエにあるワニの繁殖場の模様の動画を公表するなど反対していた。
エルメスでは、他に個人が命名されているバッグには「ケリーバッグ」がある。また、著名スーパーモデルのクラウディア・シファーさんが実はオファーを断っていることが明らかになっている。過去にファッション誌「Elle」英国版が「17歳の自分にアドバイスをするとしたら」という企画で、大物スーパーモデルたちに意見を求めたもの。22歳でエルメスからハンドバッグへの命名のオファーを受けたというが、これは断っていることを明らかにしている。このことについて「あの時のわたしには、エージェントを無視して『YES』と言っておれば良かった」と後悔の念を語っている。
エルメスにハンドバッグに自身の名前が使われるということは名誉であることを示すエピソードだ。エルメスが今後の対応えをどう取るのかわからないが、仮になくなれば広く定着している名前だけに、いまさらバーキン以外の名前で呼ぶ人もいないだろうが。