第97回全国高等学校野球選手権が6日から甲子園球場で開幕する。全国加盟校4021、選手数約17万人の高校球児たちの目標であるが、出場したかしないかは問わず、社会で活躍する元高校球児たちは多くいる。高校野球の思い出を胸に、卒業後はどんな活躍をするのだろうか。
野球に比べたら「へ」?
ここでは甲子園出場者から対象を広げて出場できなかった人も対象にし、また、プロ野球に進んだか進んでないかも問わずに範囲を広げてみた。異分野でも成功している人や、挫折を乗り越えて活躍している人も多い。
成功者に共通する項目としては、二つあるのではないか。一つ目は、挫折した場合でも這い上がってくる力があるということ。そして、もうひとつは、日々勝負する環境に身を置いているためか、人前でも度胸があり、他者とも良き人間関係を早く構築する力があるということだ。
特に芸能界には高校球児出身者は多いが、浮き沈みの激しい世界だからこそ、不屈の精神力で這い上がった例は目を引く。
◆島田洋七 天才的な話芸を持つお笑いタレントで、高校時代は名門・広島商業の野球部。漫才ブームの終焉とともに仕事がなくなってしまったが、著書「佐賀のがばいばあちゃん」が後に累計600万部を突破する大成功となった。この著書は自費出版からスタートし、途中で廃刊にもなったものの、長い時間をかけて大成功となった。
◆美木良介 持病の腰痛が悪化して俳優生命も危機に陥ったものの、岡山東商で2度の甲子園出場を果たした元球児はここから這い上がった。関連本が160万部以上を記録したロングブレスダイエットを自らが広告塔を務めて、ビジネスとして大成功させた。
◆川越達也 フレンチシェフ川越さんは、宮崎県本庄高校で新聞配達しながら野球をしていた。甲子園出場は果たせなかったが、厳しい料理業界に飛び込んだが、朝日新聞の取材に対して「野球部の監督や先輩の方がもっと厳しかった。料理業界の厳しさも『へ』とも思いませんでした」と語っているように、野球部での理不尽さよりもすべてが楽に感じられたようだ。
芸能界で這い上がった人の一例だが、次は実業界を見てみる。