愛娘との決別! 大塚家具・前会長「匠大塚」創業 勝久派の受け皿か?

◆2派閥に別れていた大塚上層部?
 久美子氏の社長就任の経緯だが、ここからして2人の意見がまったく異なる。自社株買いがインサイダー取引にあたると当局から処分を受けたのが2007年の事。この後2009年に、久美子氏が後継社長に就任することになるが、双方ともに、自分から言い出したことではなく頼まれたからという理由を述べているのだ。

 特に2度目の社長就任の際には、勝久氏は「一度出たあとだったから、覚悟を決めたのだろう」と受け入れた理由を明かしている。そうした話は千代子夫人経由で聞かされたそうだ。ただ、久美子氏の何が許せないのかと聞かれ「経営の仕方ですよ。社員を大事にしないんで、これは困ったと思いました。このままでは経営が間違った方向に行くと思いました」と声を大きくした。

 社内は上層部が悪く言えば2派閥に別れたようにも見える状態になっていたが、それを象徴するような出来事が起きた。2013年3月8日に行われた大塚家具の取締役会にあたって、前日の3月7日に久美子社長に知らせることなく取締役会が開催されたのだった。久美子社長は「私は事態を重く見て、それに関与して取締役には辞任してもらいました」としている。

 その後は訴訟、久美子社長自身の解任、復帰、株主総会、匠大塚設立という流れになる。

 この訴訟は審理が終結し年内にも決着が付く見通し。勝久氏が勝てば130万株が移動して筆頭株主としての力はさらに増す。その上で商売敵にもなり、久美子社長にとっては頭が痛い。

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