エルメス・バーキン 名称継続使用の交渉進む

 仏高級ブランドのエルメスを代表するハンドバッグ「バーキン(Birkin)」の名前の由来である女優ジェーン・バーキンさんが名称を使用しないよう求めていた件で、エルメスがバーキンさんとの間で継続使用を求めて話し合いを行っていることをこのたび明らかにした。


 2011年、14年、15年のオークションでは、バーキンはいずれも2000万円以上で落札されている高級ハンドバッグの女王的な存在。80年代に、エルメス第5代社長のジャン・ルイ・デュマ氏が、バーキンさん用のハンドバッグを作り、それにちなんで本人から使用許可を受けて、名称を使用するようになった。

 ただ、バーキンさんは今年7月に、原料となるワニの扱いについて、動物愛護団体PETA(People for Ethical Treatment ob Animal)を通じて、自身の名前の使用を停止するよう発表していた。ワニ革の原材料となるワニ繁殖場でのワニの扱い方への不満を持っている、としており、扱いの改善を求めていた。製造過程がワシントン条約の基準になるまで、名称停止を求めていた。◆参考:仏エルメスにバーキンさんが名前使用差し止めを要請◆

 一方で、エルメス側は、PETAが調査したテキサス州とジンバブエにあるワニ繁殖場のワニ皮は材料として使用していないとの見解をこの直後に発表していた。

 業界関係者によると、バーキンさんの名称使用の権利金は、ほとんどを自身では受け取らずに自然保護や動物愛護に充てられているといい、主張としては、動物愛護をないがしろにして稼いだ資金、で動物愛護活動に使用しないでほしいという「筋を通す」話というところだろうか。

 その両者の会談だが、ロイター通信によると、ともに代理人を通すことなく直接、当事者同士での話を重ねているのだという。創業家6代目当主にあたり、同社CEOのアクセル・デュマ氏は、2015年上半期決算の説明会で、「我々はお互いに信頼関係と友情を維持できている」と述べたという。

 エルメスが発表した上半期セールスによると、部門別ではレザー製品は10億6700万ユーロで全体の46%を占める。

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