高級有料老人ホーム選び方最新版 お金より大切なものは?

◆65歳になってまで味わう富裕層コミュニティでの「ぼっち」
 現在でも、入居一時金は、数千万円から1億円超えというものまである。また、その一方では一時金は0円で、月額費用が50万円以上などという代替えプランが用意されているところもある。仮に入居金1000万円で償却期間を5年として2年で退去した場合。入居時に250万円を償却し、残りを5年で償却することになるが、(1000万円-250万円)÷5年×(5年-2年)=450万円が返ってくるようになる。

 このような話をしておかなくてはならないのは、体が変調を来したり、環境や人間関係が合わなかったり、あるいは家族に何かがあったりする可能性もあり、施設を出たくなることもないわけではないからだ。お金の話はこれくらいにして、次から本題に入る。

 ピアノを設置した音楽ホール、数十種類のメニューから選べるレストラン、錦鯉が泳ぐ池など高級インフラで有名な「サクラビア成城」はメディア露出も多く、入居待ちも生じているくらいの人気だ。

 ここからはメディアであまり触れられない所ではあるが、高級老人ホームでも、一般と同じように見学会や体験入所が行われている。その理由を、関西のある社会福祉法人理事は「例えば何代も前から超の付く富裕層だった人の中に、大企業のたたき上げの役員さんで退職金などでリッチになった人が入ったり、あるいは、ご近所さんの知り合いの輪の中に、よそから入っていったり、要は話が合わないのです」と説明する。

 マンションのように個室で暮らすとは言えども共同コミュニティであり、人間関係のマッチングが必要なのである。老人ホームのコミュニティというある種の逃げ場のない日々は苦行でもある。また、入所者は自宅の近くの老人ホームに入ることを希望するケースも多いために、他の場所から入るのもツラいようだ。

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