入会金300万円以上! でも「美人は金に勝る?」高級フィットネスクラブの選び方

 シニアマーケットを中心に売上を拡大させているフィットネスクラブ。ほぼ無料で利用できる公立の施設から、入会一時金だけで300万円を超える富裕層向けまで様々ある。東京都内の高級フィットネスジムの内側と、選び方を見ていくことにする。

 「入会金183万6000円、会員資格保証金150万円」。

 都内のある高級ホテル内にあるフィットネスクラブの入会のために掛る費用の記述だ。もしも、価格で線引きをするならば、入会金と保証金を合わせて300万円以上が超高級フィットネスクラブの定義という
ことになろうか。さらに、月会費は10万円以上するなど料金を見ただけで、わかりやすく差別化をしていることがわかる。また、立地面でも高級住宅街、高級ホテル内などわかりやすい。


 一般的な所と何が違うかというと、実業団でもプレー経験があり現在は某フィットネスクラブの現役マネージャーを務める男性によると、値段なりのサービス、一人当たりのスペース、パーソナルトレーナーの質などだという。一方で、高級ジムでも運営は下請けに丸投げしているようなところもあるといい、こうした所は人の出入りが激しかったりレベル差があったりするので注意が必要だという。

 マネージャー氏によると、ある高級ジムには過去、モデルプロダクション、芸能プロダクションと契約。使いやすい条件にして、モデルたちをルックス要因として動員し、クラブの「質」を高めた所もあるそうだ。高額な会費さえ払ってくる会員であればそれでも良いのだが、「言いにくい話ですが、高級ジムにとっては見てくれの良さは最高のブランドでもありますから」という。

 かつてバブル期には、ある激戦区の証券会社支店営業マンが、富裕層顧客の開拓のために借金をして会員となり、支店でナンバー1の成績を収めたという話も耳にする。

 バブル期のように世が華やかかりし時代には、そうしたことがあったかもしれず、会員であることがステータスとして通用したということだろう。ただ、現代においてはニーズも多様化しているように見える。というのも、本当に体づくりをするために食事のメニュー作りから運動メニューもゼロから組み立てるトータルワークアウトや、新興のライザップのような所も人気は高い。サプリメントなども充実しているゴールドジムも根強く人気だ。

 ステータスシンボルや、富裕層たちの社交場というだけの存在ではないということだ。一般の人がいないので、一人になって落ち着く時間を確実に作ることができる場所でもある。

 ある港区の高級フィットネスクラブに通う30代会社社長は「週刊誌とかで、『天皇』とか怖い書かれ方をしている有名芸能人の方をよく見かけますが、隣になってこちらがあいさつすると、笑顔であいさつを返してくれます。ただ、ご迷惑なのでそれ以上の話はしませんけど」という。その著名芸能人も一人で来るそうだが、ほとんどの人がそんな感じだという。

 ちなみにこの社長は一度は会社経営に失敗しており、「高い会費を払うのはもったいないと正直思っていますが、富裕層がいっぱいいるところに身を置くことで絶対にこっち側の世界にい続けてやる、という強い意識付けになっていて、おかげで仕事も頑張れています」という。本当に、通う目的はみな様々だ。

 落ち着ける環境で運動を習慣づけられる立地・施設・サービスなどで選ぶのが良いのではないか。前出マネージャー氏によれば、基本的には高級ホテルの中にあるフィットネスクラブは外れがなく、お勧めだという。その一部を挙げておく。

・ザ・リッツカールトン東京
・ホテルイースト21
・リビエラスポーツクラブ
・ヒルズクラブスパ
・都ヘルスクラブ
・アンダーズ東京
・ザ・スポーツコネクション

 ちなみに、ザ・スポーツコネクションは世田谷・瀬田に立地し、80年代のバブル期を代表するスポーツクラブとして多くの著名人も利用した。ここの会員は一つのステータスとされ、日本の高級フィットネスジムの歴史を語る上では欠かせない存在でもある。また、天然温泉も掘り当てて運用するというユニークな存在としても知られた。現在はマンションなど周辺一帯の再開発中のため閉鎖しているが、2016年リニューアルオープンするという。

 ここの当時の事業本部長と名乗る男性のブログには、キャパシティーの限界を抑えるために、会員にはいかに通わずに会費を払ってもらえるかということに腐心したとの回想する記述もある。通う人が少ない方が快適度も上がるという高級フィットネスクラブの本音と建前が見えてくる点もおもしろい。

 ちなみに、最近ではアンダーズ東京のフィットネスが眺望も良く、評判は上々なのだとか。

よかったらシェアしてね!
目次
閉じる