Vertu(ヴァーチュ)を謎の中国人投資家が買収

 100万円以上の高額携帯電話として過去に日本にも進出していた、携帯電話機「Vertu」(ヴァーチュ)が謎の中国人投資家の手によって買収されたことが、英フィナンシャルタイムズの報道で明らかになった。同事業はすでにノキアからプライベートエクイティのEQTに移っており、中国の「Godin Holdiongs」が買収するという。買収金額など条件面は明らかにされていない。


 FTによると、EQTがGodinHDに売却することで合意にいたったという。事業移管によってトップも交代するという。

 Vertuはフィンランドの通信機器メーカーのノキアが展開していた携帯電話のラグジュアリーブランド。2012年にはEQTに2億ドルで事業を売却し、事業を縮小していた。

 2009年には日本にも進出を果たし東京・銀座に店舗も構えて、人間国宝が手掛けた1台2000万円の端末も発売するなど話題を呼んだ。ただ、関係者によると、修理代だけで10万円を超えるなど意外に扱いにくい部分もあったようで、普及は思ったほど進まなかった。また、デザイン的にも純金、ジュエリーなどがついたものなど華美な物も多く、日本のユーザーの好みに合わなかった面もある。

 ただし、中国では少し事情が違うという声もある。中国人富裕層によると、2台持ちする人にとっては、1台は通話、ウィチャットなど通常の携帯電話として使い、もうひとつはジュエリーやブランドモノのように持ち歩くというものである。実際にこうした例はあるのだという。

 その中国の携帯電話市場だが、実はすでに成熟市場に入ってしまっている。調査会社IDCが公表した2015年第1四半期の中国のスマートフォン市場は、出荷台数がここ6年間では初めて対前年同期比割れとなったことが明らかになっている。シャオミ、アップルなどの人気が高く、携帯電話に占めるスマートフォンの占める割合はひじょうに高い。ひととおり浸透しきった感もあり、明確なハイエンド向けがなかったこともあり、今後の普及の可能性も十分考えられ、その辺を見据えての買収ということだろう。

 今回の買収劇の最大の謎は、Godinの存在。正体不明で欧米のメディアでは「謎の中国人投資家」という表現などが目立つ。過去にGodinは、携帯電話を紛失したり盗難にあったりした場合にも、内臓されている個人情報などのデータを抜き取られないよう防止する「GOS」というシステムを開発したという発表が、SNSのウェイボ上で見つけることができる。

 いずれにせよ、高級ブランドの一つがまた中国に渡るということになるということか。

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