中国調査会社の胡潤研究所が発表した「HURUN REPORT」で、世界に2188人いる資産10億ドル以上の大富豪のうち、各国別、首都別の分布が、国別では中国が568人で米国の535人を抜き初めて1位に、首都別では北京が100人で、ニューヨークの95人を抜いて1位になったことが明らかになった。
世界の大富豪は2188人で、そのうちの約半数にあたる1019人の資産が増加し、新しい顔ぶれ311人が増えた。中でも中国は昨年から90人も増加し568人になり、対して米国は2人減少し、国別では中国が初めて世界一の大富豪輩出国となった。総資産額は1兆4000億ドルで、オーストラリア一国のGDPに匹敵するほどのレベルに到達している。人民元高という要因も大きく、これによって日本ではいわゆる「爆買い」という現象が起きたことも記憶に新しいが、レポートでは、 資産評価基準とっする米ドルに対して人民元は25%も富が上昇したとしている。
中国で長者1位はワンダグループ会長の王健林氏で、資産は260億ドル、次いで長江実業グループ創業者の李嘉成氏が250億ドルとなっている。
◆国別大富豪人口
1 中国 568人 +90
2 米国 535人 -2
3 インド 111人 +14
4 ドイツ 82人 +10
4 英国 82人 +2
6 ロシア 80人 -13
7 スイス 66人 +6
8 フランス 51人 +5
9 ブラジル 49人 -7
10 日本 42人 -3
11 イタリア 37人 +10
12 カナダ 35人 -4
13 トルコ 34人 +1
14 シンガポール 32人 +6
15 韓国 31人 -2
16 オーストラリア30人 -2
17 タイ 26人 -3
18 スペイン 21人 +2
19 フィリピン16人 0
19 スウェーデン 16人 +4
◆首都別大富豪人口
1 北京 100人 +32
2 ニューヨーク 95人 +4
3 モスクワ 66人 -7
4 香港 64人 -7
5 ロンドン 50人 +1
6 上海 50人 +20
7 深セン 46人 +12
8 ムンバイ 45人 +5
9 杭州 32人 +10
10 パリ 30人 0
11 台北 23 -10
11 サンフランシスコ 28 -2
11 イスタンブール28 -1
14 シンガポール 27 -5
14 ソウル 27 -1
16 東京 26 -2
17 サンパウロ 24 -6
17 バンコク 24 -3
19 LA 21 -1
20 ニューデリー 20 +3
国別では中国の90人増という圧倒的な伸びが目立ち、北京、上海、深セン、杭州など各大都市部で増加している。ただし、この数字はいわゆる公の資産を基にHURUN REPORTの知見と調査から推計したもの。政府など各種統計に表れていない隠し資産なども合わせれば、これでも少ないと言えるかもしれない。
個人の長者番付も同時に発表しており、1位はやはりビエル・ゲイツ氏。3位にZARAなどを展開するインディテックスグループ創業者アマンシア・オルテガ氏が入り、4位にはアマゾン創業者ジェフ・ベゾス氏が入った。
1 ビル・ゲイツ 800億ドル
2 ウォーレン・バフェット 680億ドル
3 アマンシア・オルテガ 640億ドル
4 ジェフ・ベゾス 530億ドル
5 カルロル・スリムヘル 500億ドル
6 マーク・ザッカーバーグ 470億ドル
7 ラリー・エリソン 460億ドル
8 デビッド・コーク 440億ドル
8 チャールズ・コーク 440億ドル
10 ベルナール・アルノー 370億ドル
10 マイケル・ブルームバーグ370億ドル
※敬称略