2月のヘッジファンド戦略別リターンがクレディスイスから発表され、マネージドフューチャーズが3.23%と今年に入ってから好調を持続し2カ月連続でプラスとなったことがわかった。今年に入ってからここまでは、全体平均がマイナス運用である中で、マネージドフューチャーズとショートバイアスの両戦略ともにプラス運用を維持している。
◆戦略別平均リターン 2月月次 1月月次 2016年
CSヘッジファンドインデックス -1.08% -1.41% -2.48%
S&P500 -0.13% -4.96% -5.09%
コンバーチブルアービトラージ -0.09% -1.97% -2.06%
ショートバイアス -3.06% 9.48% 6.13%
エマージングマーケット -0.87% -3.45% -4.29%
エクイティニュートラル -0.73% -1.17% -1.89%
イベントドリブン -1.81% -3.04% -4.80%
ディストレス -1.16% -1.36% -2.50%
リスクアービトラージ 0.21% 0.59% 0.80%
マルチストラテジー -2.09% -3.72% -5.74%
リスクアービトラージ 0.21% 0.59% 0.80%
フィクスドインカムアービトラージ -1.05% -0.76% -1.80%
グローバルマクロ -1.55% -0.57% -2.11%
株式ロング&ショート -1.76% -2.78% -4.49%
マネージドフューチャーズ 3.23% 4.02% 7.38%
マルチストラテジー -0.84% -0.48% -1.32%
マネージド・フューチャーズとは株式、債券、為替、商品などあらゆる投資対象に対して、先物取引を使って、相場のトレンドに乗っていく。システム化されたアルゴリズムで、相場のトレンドをいち早く発見し投資対象を選別する。リーマンショックが起きた2008年には好成績をあげるなどしており、どちらか一方向に突き進むような相場展開になると、最大の力を発揮する。
ただ2009年以降、注目されなくなった理由としては、ボラティリティの歴史的な低下にある。この原因として運用会社アルテグリス・アドバイザーズのレポートによると、3点あるといい、テーパリングが縮小するであろうこと、テクニカルが改善していること、コモディティ価格がさらに低下しそうなことを挙げている。

この戦略の代表的なヘッジファンド運用会社には、AQR、ウィントンなどがある。両者はリーマンショック後も大崩れなく安定しており、特に後者は大幅な人員採用増を表明している。業界的には数年続いてきたこの戦略の不振も転換期を迎えたようだ。
他では、前月1月に9.48%と好成績の月次をマークしたショートバイアス戦略だったが、2月は反動からマイナス運用となった。