東京都の舛添要一知事の一連の海外出張でホテルのスイートルームの宿泊費用が高額であるという件で、都は宿泊費用を公表した。1泊あたり15~20万円レベルであり、都条例が定める宿泊費用の上限4万200円を大きく上回った。都民からも数多くの批判が寄せられたといい、全体に批判的な声が大勢を占めているものの、そもそもスイートルームの中では格安の範囲の料金である上に、要人を招く際の応接スペースなども必要となる。そもそも価格認識の差と説明不足のため起きた批判でもある。都は外部から指摘を受けたことで、検討チームを立ち上げ出張費の全体的な検証を行うことを決めた。
東京都が公開している中で、最も宿泊が高額な昨年10月のロンドン出張を例に取ると、知事の宿泊費は1泊19万8000円となっている。宿泊先はコンラッドホテルになるが、宿泊予約サイトなどの相場で見ると、スイートのペントハウスタイプ(約60平方メートル)で30万円以上のものがある。もちろん、最上級クラスともなると、一般の外部サイトに掲載されることもなく、200万円、300万円などというレベルのものもある。
スイートの相場からすれば、20万円以下というのは抑えている方だとも言える。もちろん、ともに出張する職員らは一般客室、飛行機もエコノミーを使用している。知事の宿泊費用は条例では、指定都市の場合は1泊あたり4万200円、日当が1万3100円となる。ちなみに条例どおり4万円ほどの料金で泊まるとすれば、コンラッドホテルで泊まることができるプランは30平方メートル前後のもの。応接スペースは特にもうけられていない
スイートにした理由としては、要人、客人らとの会談、職員らとの会議などの用途に使うためで、別途会議室を取る方が高く付くからだ。石原都政の時代からスイートルームの会見の記録はないという指摘もあるが、舛添知事は22日の定例会見で「極めて政治的な話をする時は公開すべきものではないです」とした。
また、宿泊費を含めた旅費だけの話にとどまらずに「検討チームを発足し、必要経費については使うし、無駄な所は省いていく方針です。ムダを排除するにはどうすればいいか、ただ、経費を削ったためにまともな仕事ができなかったというのではいけない」とした。
スイートルームの宿泊費をきっかけにして始まった論争だが、宿泊費用だけでなく全体として無駄があるか、また、その費用対効果があるかないかが検証されるなら、いいきっかけではある。