金の価格を上昇させる2つの要素

経済危機で高まる金の人気

金の価格が上昇していることを5月17日付の記事で伝えた。ここ最近の価格変動の原因は何か、そしてこの先はどうなるのか。

「経済が不安定な状態になると、現物資産である金の価値は高まる」「米ドルと金の価格は相関関係」といわれている。金は2007年頃まで1トロイオンス600~800ドル前後で購入できたが、2008年のリーマンショック以後、価格が大幅に上昇した。
 2011年に起きた東日本大震災の影響などもあり上昇を続け、2011~2012年にかけて金価格は最高で1900ドル近くを記録した。
 その後は下落を続け、2015年末の段階で約1100ドルだった。
 金価格はそれから上昇に転じ、5月2日に1303.82ドルを記録し、5月18日現在は1271.15ドルになっている。


「今まさに、リスクは1つだけではないのです」
 デンマークにあるサクソ銀行の商品戦略部門のトップ、オーレ・ハンセンはブルームバーグのインタビューに答えた。
 彼はこの先、金価格が1オンス当たり1400ドル程度になるだろうと予想している。「金の価格を変動させるリスクはたくさんある。もし金の保有量を増やすのなら、さらなるリスクがあるかもしれないことを頭に入れておいたほうがいい」と語る。
 ドイツ、ハンブルグにあるベレンバーグ銀行もサクソ銀行と同じ考えで、金の保有量を増やす予定であるとしている。

金の価格に影響を与える2つの要素

 価格変動の大きな要素の1つが、今年6月23日に行われるイギリスの国民投票だ。世論調査では、ORBによる電話調査ではイギリス国民の55%がEU残留を希望したが、TNSの調査では48%が離脱を、38%が残留を希望しているとされ、「まさかありえない」とされてきたイギリスのEU離脱に可能性が出てきた感がある。
 万が一離脱となればポンドが売られるなど通貨に変動が起きることが予想され、金の価格も上昇することが予想される。

 金の価格が今後どのようになっていくのか、投資家の間でも意見が分かれている。金は下落すると考える人たちは「今後世界経済は回復し、ドルが強くなることで金の魅力は落ちていく」と言う。
 金は上がる、と考える人たちの主張はこうだ。「金の産出量は今がピークに近い。この先間違いなく価値は上がっていく」

「私たちにはさらなる不確定要素が年末にあります」
 サクソ銀行のハンセンは語る。アメリカの大統領選だ。この選挙でドルは新たな強さを持つことになるのか、それともドルの価値低下へとつながるのか、世界がその行方に注目している。

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