ヘッジファンドマネジャーはこの先不要に?

 先日発表された、2015年に最も多くの報酬を得たヘッジファンドマネジャーのランキング。17億ドル(約1800億円)を稼いだケネス・グリフィン氏とジェームズ・シモンズ氏が同額で1位となった。3位はレイモンド・ダリオ氏とデヴィッド・テッパー氏となった。

 興味深いのは、ヘッジファンドマネジャーが使用する手法が昔と変わってきたことだ。25位までに入った上位のヘッジファンドマネジャーの約半分は、コンピューターが考えた投資戦略に基づいて利益を生み出している。
 上位8人にいたっては、そのうち6人がコンピュータープログラムを有効活用している。2008年の段階でもそのような手法を用いていたのはジェームス・シモンズ氏くらいだったが、この8年で大きく変わった。


 今年シモンズ氏と1位の座を分け合い、それぞれ1700億円を稼いだシタデルのケネス・グリフィン氏も、コンピューターシステムを活用している。

 3位に入ったブリッジウォーターアソシエイトのレイモンド・ダリオ氏もまた、投資の決定にコンピューターを使用している。
 ダリオ氏と同額で3位タイのアパルーサ・マネジメントのデビッド・テッパー氏は、コンピューターを使用せずに最も成功しているヘッジファンドマネジャーだ。

 6位のデビッド・ショー氏はコロンビア大学のコンピューターサイエンスの教授であり、DEショーグループの創設者で、ともに7位に入っているジョン・オーバーデック氏とデビッド・シーゲル氏は2シグマインベストメントを設立する前、そのグループで働いていた。

 シーゲル氏は2シグマ社の共同経営者であると同時に、人工知能の専門家でもある。彼は予測した。「コンピューターが、いつか市場を制するだろう」と。

「人の心は100年前とそう変わっていないが、コンピューターはどんどん進化する。伝統的な方法のままでグローバル経済の情報をすべて把握するのは困難だ。今後、コンピューターに勝てるヘッジファンドマネジャーは出てこなくなるだろう」
 彼はそう言っている。

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