・ヘッジファンドの成り立ち
「ヘッジファンド」と聞くと、以下のようなイメージをもたれていることが多いようです。
・ほかの投資に比べると難しそうなもの
・ハイリスク・ハイリターンなもの
・お金持ちのしていること
ヘッジファンドに関しては、インターネット上にも不確かな情報があふれており、正確とは言いがたいものも多くあります。
なぜ難しいと思われているのか? なぜ情報が多くないのか? それには大きな理由がありますが、「ハーバード大学や世界の富裕層がヘッジファンドで運用している」ということをまずは知っておいていただければと思います。
「賢い人たちが選んでいる、確実性が高い資産運用の方法」だ、ということです。
ヘッジファンドは元々、ヨーロッパの元貴族などの大金持ちが、財産をどうやって子孫に残そうかと思ったときに、安全な資産運用をする専門家に任せた。これが発祥です。
ヘッジファンドの「ヘッジ」とは、元々英語で「生垣」の意味で、高級住宅の周りに植えた草花など指します。それが転じて「危険を避ける」の意味になりました。
また「ファンド」というのは「預ける」の意味です。投資の世界で「ファンド」という言葉がヘッジファンドに限らずよく出てきますが、誰かに預ける形のものを指します。
昔のヨーロッパやアメリカは、戦争など数多くの動乱がありました。それらが起こるたびに経済は一気に変動し、インフレなどが起こりました。コツコツ貯めておいても、インフレなどで現金は一気にその価値を失ってしまう。そういった経験をしてきたヨーロッパやアメリカの大金持ちは、資産を現金で持っていても貨幣の価値が変わってしまえば意味がない、資産を守るためには持っているだけでなく運用しなければならないと考えました。
そして信用できる専門家に「資産を増やさなくていい。減らさないようにさえしてくれれば」とお金を預けました。
預かった側は、どうすればそのお金を減らさずに済むかを考え、行動してきました。そして、お金が減らない運用方法を編み出していったのです。
「もともとお金を増やそうというものではなかった」
これがヘッジファンドの基本の考え方です。
・ヘッジファンドの進化
その後ヘッジファンドの技術は発展をしていきます。専門家たちがお金持ちの資産を減らさないために、その当時の最新の技術を用いて様々な手法を生み出した結果、減らさないだけでなく、運用の結果預かったお金を増やすことに成功したケースが出てきました。
「ヘッジファンドにお金を預けると、減らないどころか増える」となり、さらなるお金が預けられるようになりました。
預かる側も「預かったお金を増やしますよ」と謳うヘッジファンドが出てくるようになったのです。
その結果、リスクを「ヘッジ」して資産を減らさないのではなく、リスクを負ってでも大きな結果を狙いにいく、ハイリスク・ハイリターンなヘッジファンドも出てきました。
経済ニュースで出てくる「ヘッジファンド」は後者の意味のことが多いです。
では実際にはどのように資産を守り、増やしていくのでしょうか。最新の技術や高度な金融工学を用いていますが、ヘッジファンドの仕組み自体は「割安なものを買い、割高なものを売る」という非常に簡単なものです。
その結果、景気や市場に左右されることなく儲けを出し続けられる可能性を高めました。
次回はヘッジファンドのほかの投資との具体的な違いや、より詳しい特徴などを説明させていただきます。