不動産に対する考えを時代に合わせよう
大野氏に、今後の不動産の展望を語ってもらった。
「現在の相続に関する税制は、何もしなければ3代で財産を失うようなレベルです。相続税率も、現在は最大で55%ですが、もっとも高くて70%の時代がありました。いつまたそんなときが来るかもわかりません。財産を守るための対策が必要です。
昔は家を買うことがスタンダードでした。その後時代が変わり、『賃貸と持ち家、どちらがいいか』といった議論がよくなされるようになっています。
私に言わせていただくと、この2つは比べるものではありません。確かに家を買ってローンを払い終わったら安心ですが、子どもが大きくなり独立するなどライフスタイルが変わったら、そんなに大きな家は必要なくなるかもしれません。
今は施設も充実しているので、家があるなら手放す、賃貸ならば住宅ローンを払ったつもりで資金を貯めておいて、老後は施設に入るほうが便利で快適な可能性もあります。
考え方は人それぞれです。人や周りがではなく『自分がどうしたいのか』を基準に考えたいところですね」
投資家に必要な3つの力
最後に、不動産投資家へのアドバイスをいただいた。
「不動産でうまく資産運用をしている人は、おそらく信頼できる不動産の専門家をパートナーとして抱えていると思います。これから不動産投資に力をいれていきたい方は、まず信頼できるパートナーを見つけることが大事です。
不動産に限らず投資の成功者は『何かあったらこの人に相談する』という人を何人も知っていて、それらの人がスムーズに動いてくれるような人間関係がしっかり作れています。
入ってくる情報が正しいかの判断をするための勉強はしつつ、細かいこと、実務的なことはどんどんパートナーに任せて最後の判断だけする、そういう人が成功している印象です。
これは不動産に限らないことと思いますが、投資に必要なのは3つの力です。不動産という高い買い物をリスクを負って買う“決断力”、どんな物件なのかを実際に見てチェックしたり、トラブルが発生すれば即座に対応する“行動力”、そして専門家に力をフルに力を発揮してもらう“コミュニケーション力”です。
不動産コンサルタントとしましては、その3つをフルに発揮して、不動産を味方につけて、楽しく、豊かな人生を歩んでいただきたいですね」