ヘッジファンドとは何か?④

ヘッジファンドのメリットとデメリット

 ヘッジファンドにはどんなメリット、デメリットがあるのかについては、以下の通りです。



 ヘッジファンドは1億円程度から運用が可能ですが、ここ最近はもう少し少額でもヘッジファンドの運用が可能なケースも出てきています。
 とはいえ、金額の大きさはメリットにもデメリットにもなります。ヘッジファンドはある程度の額のマネーを投入するので、運用に成功すればドカンと儲かります。逆に、運用に失敗しマイナスになった場合は、そもそもの額が大きい分、損失も大きくなります。

 また、運用はヘッジファンド・マネジャーに依る部分が非常に大きいので、ヘッジファンド・マネジャーが運用に成功すればリターンも大きくなり、ヘッジファンド・マネジャーが失敗すれば大きな損失となります。投資家は運用に関して細かい関与ができず、また、解約にも制限があり、自由な解約ができません。

 そして、ヘッジファンドが主に海外の商品である以上、為替リスクのあるものがほとんどです。為替リスクとは、外国為替レートが変動することによる差益や差損をこうむるリスクであり、広義には価格変動リスクの一部となります。
外国為替レートはそれぞれの取引される通貨間での相対的な取引価格となっており、日々変動しています。

 当たり前ですが、取引が日本円の投資商品に為替リスクはありません。外貨建てで取引されている投資商品にのみ存在するリスクです。外国の商品というといろいろ未知数です。日本のものなら信頼もおけます。それでもなぜ海外がよいのか? について説明します。

なぜ海外に投資する必要があるのか?

「投資で大きな成果を挙げるならば海外の金融商品に」
 投資の世界では常識と言える考え方ですが、それはなぜでしょうか。理由はいくつかあります。
 
 理由の1つは、日本という国の経済成長に陰りが見え、これ以上日本の株や債券を持ち続けていても伸びに限界があることです。
 もちろん日本にも伸びしろがたくさんあり、まったく伸びないわけではありません。ですが少子高齢化が進み将来の労働力不足、中国やアジア新興国の台頭などにより、残念ながらこの先大きく伸びていくとは考えにくいところがあります。

 たとえて言えば、あなたが会社を経営しているとして、取引先がいつつぶれてもおかしくない業績不振な会社1社だけのようなものです。どんなに頑張っても、その会社からの売り上げで伸ばせる部分はわずかでしょう。

 日本が財政破綻する可能性も、ないとは言えません。もし財政破綻したら円の価値が暴落、最悪の場合価値がゼロになってしまうかもしれません。そうなった場合、仮に現金で1億円を持っていたとしてもその価値はゼロです。

 先ほどで言うと、唯一の取引先が、ついにつぶれてしまった状態です。今後の売上がなくなるどころか、納品後に支払い予定の代金も踏み倒される、そんな事態。
 今や、円しか持っていないことは大変なリスクになるのです。

 投資はリスクを回避するうえでも「分散」が欠かせません。円の暴落の可能性に触れましたが、逆に言えば暴落するくらい円の力が落ちているときは、別の通貨が強くなっている可能性があります。円だけを持っていると暴落で価値は減ってしまいますが、その時に強くなっている通貨があれば、円のマイナスをカバーできます。

 会社でたとえれば、取引先につぶれかけの日本の会社だけでなく中国のこれから伸びていきそうな会社、アメリカの着実に売り上げをもたらしてくれそうな会社も加える状態です。そうすれば日本の会社がつぶれてしまっても、なんとかなるでしょう。

 投資も経営と同じです。何が起こるかわからない市場を相手に行いますから、リスクを分散し、不測の事態にも備えておけるようにします。

 2つ目は、海外には日本のものに投資するよりもはるかに多くのリターンを上げられる金融商品がたくさんあることです。
 あなたが車のメーカーを経営しているとして、日本ではもうそれほど新車を買う人は多くありません。売れても買い替えがほとんどでしょう。

 ところが、最近急激な経済成長で豊かになった国などは「車がとにかく足りない。あればいくらでも買う」状態かもしれません。売上は日本国内のそれを簡単に抜くでしょう。

 実は、世界のマネーにおける円の割合は、わずか4%です。米ドルやユーロが8割以上を占めています。投資信託で言うと、日本で買える投資信託は全世界で販売されている分のわずか3%です。円にのみ目を向けていては、出会うことのない金融商品がたくさんあるのです。

 また、それらの商品には、円ではなしえない非常に大きなリターンを見込める商品もたくさんあります。


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