ライザップのCMを見て、多くの人が「本当にこんな風になるの?」「相当きついのでは?」と思っているだろう。実際のところはどうなのか、社長に話を聞いてきた。
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ライザップといえば「結果にコミットする」のキャッチコピーが有名だ。ライザップがほかのフィットネスクラブやジムと違うと考えているのが「必ず結果を出す」という点だ。
ライザップの代名詞とも言える「結果にコミット」について、お答えいただいたのはRIZAPグループ株式会社代表取締役社長の瀬戸健氏だ。
原点は社長の実体験
「今のライザップの形は、実は学生時代に私が152cm、70kgの女性と付き合っていた経験がもとになっています。毎日電話し、励まし続けることで、彼女をだいぶ痩せさせることができたのです。
当時の私は運動や栄養に関する知識はありませんでしたが、そのときに実感したのが『パートナーの大切さ』パートナーがいることで、1人ではできない力が発揮できる、三日坊主になりそう、挫折しそうになっても続けられる、ということです。
トレーナーは私たちの命ですから、優秀な人材の採用には非常に力を入れています。5万人以上が結果を出してきたノウハウを教えるだけでなく、マインド教育をしっかり行います。
トレーナーに求めるのは、不器用でもいいのでゲストに愛情を注げることです。しっかりと向き合い、ゲストの悩みを分かち合う。それができて、トレーナーを信頼していただければ、ゲストにも深く突っ込んだ提案もできるようになります。
たとえば『トレーニングを続けていて、急に痩せなくなった』というような悩みは、5万人以上を指導してきたデータをもとに即座に答えを出すことができます。ダイエットにも“停滞期”がありますから。『そういう時期に来たんです。順調にいっている証拠ですよ。ここを乗り切れば一気に楽になりますから、頑張りましょう』というようにアドバイスします。
ゲストが挫折しそうになったときには『トレーニングを続けて、こんな姿になりたいとおっしゃっていましたよね?』というように、申し込み時にお聞きした『なりたい自分』のイメージを思い出してもらい、それをモチベーションにつなげていただきます。
一方で『最近女房が“私も忙しいのにあなたばかりトレーニングなんて行って”と怒っていて、続けられなくなりそう』といったゲストの個人的な悩みは、トレーナーが口をはさむようなことではありません。
ですが、日ごろのトレーニングを通じてトレーナーが信頼を得ていれば、答えを出すことはできないにせよ、ゲストの話を聞き悩みを分かち合うことで、続けるための障害をなくすお手伝いができるのです。
ゲストへの伝え方も、男性には理由をしっかり伝えることが多いです。『糖質というのはすぐエネルギーに変わる一方で、寝ている間に脂肪に変わるものですから、時間によっては量を控えてください』というように。
女性には『このトレーニングを続けると二の腕がきれいに見えるようになって、ノースリーブも自信を持って着られますよ』といった、イメージを伝えることを意識していますね」
パートナーの力で、1+1を3以上に!
「パートナーの大切さはほかにもあります。ゲストは『頑張っても自分がいけるのはここまでだろう』と低い目標を掲げがちです。自分がそんなにできるイメージが持てないんですね。
ライザップが提供するのはもっと上です。トレーナーが指導して、より高い成果を得ていただいています。『5キロも痩せられれば充分』という方を10キロ痩せさせたり、『健康診断の数値がよくなくて』と来られた方が血圧の薬を飲まなくてよくなった、薬を飲まなければ治らないとされている脂肪肝が改善されたといった成果にコミットしていただいたのは、トレーナーがいるからこそです」
ライザップの顧客は、どんな人たちが多いのだろうか。
「経営者の方や医師、芸能人といった方もいらっしゃいますが、様々な方にご利用いただいています。年収は800万~1000万円くらいが全体の20%を占めていますが、決してその層ばかりというわけではありません。
収入も年齢も、地域もバラバラです。
ライザップに通っている間は痩せたり、健康になったとしても、トレーニングが終わったら元に戻ってはしまわないのだろうか。
「それまで行っていたトレーニングをやめて、以前とまったく同じ生活に戻ったならば、それはやはりリバウンドしてしまいます。
大切なのは、太りにくい体になっているかどうかです。そのために、体作りの基礎やトレーニング、食事知識を提供しております。私たちは『結果にコミットする』と言っていますが、変わった体型やマインドを維持していただくのも結果であり、私たちの負っている責任の1つだと思っています。
その後もライザップのトレーニングを無理なく取り入れていただくプランなども、いろいろ用意しています。
私たちは『結果を出していただく』ことで評価していただけると思っています。日本にパーソナルトレーナーという存在をもっと普及させたい、多くの方に健康になる、なりたい自分になることの喜びを味わっていただきたいですね」