投資で詐欺に遭わないためのポイントを、ゆかしメディア編集部がまとめた。
1.関東財務局登録があるかを確認
ほぼこれですべてと言えるが、投資や金融商品について話をする人に「関東財務局長 第○○号」という肩書があるかを確認し、肩書を見せてくれる人は信用してよい。
投資のプロを名乗る人は多いが、投資・資産運用の具体論について関東財務局の登録なしに行うことは法的に禁止されている。
つまり、登録のない人ができる話は抽象的なもののみで、投資を始めるきっかけとしては役に立つものがあるかもしれないが、具体的な話を聞きたければ登録のある人にお願いするしかない。
逆に言えば、必要な許可、登録をしている人や業者はその時点で信用してよい。
また、それらの人であればリスクについても絶対に説明する。投資において「損をする危険がない」「元本保証」といったことは基本的にあり得ないため、うまい話は絶対に言ってこない。
「日本は金融に関して遅れている」とよくいわれ、ピーター・F・ドラッカーは2000年初頭に「日本の金融業界は1950年代レベル」と言ったとされる。
その理由の1つに「役所による規制の多さ」が挙げられる。金融、投資に関する事業に関して様々な金融庁や関東財務局の許可や登録が必要で、香港やシンガポールなど「金融立国」と言われる国に比べてスピードの遅さが指摘されている。
様々な許可や登録が必要ということは、あやしいものが入り込む余地がないとも言える。特に和牛投資詐欺の安愚楽牧場の事件などを経て、監視の目や規制は厳しくなっている。
2.ネットの情報は悪評が多いほど信用できる
買おうと思っているものについて調べるとき「○○ 評判」と検索する人は多い。検索の結果、悪評のページが多数ヒットすると買うのをやめる判断をする人も多いだろう。
面白いもので、ネットの悪評が多いものほど、購入者に利益をもたらす可能性がある。
こんなことがある。好感度の低いタレントが本を出したところ、通販サイトのアマゾンのレビュー欄には作品評価で星1つがずらりと並ぶ。「ひどい本だ」「買わないほうがいい」「あの人の言うことは気分を悪くさせる」そういったコメントもつく。
だが、その本の売上ランキングは、1位だったりする。
「サイレントマジョリティ」という言葉がある。声が大きい、目立つのは一部の人で、ほとんどの人は何も言わない。作品について悪く言う人が目立つのは、それが少数だからだ。そしてその悪評も、マイノリティである可能性がある。
「買いたい」「欲しい」「興味がある」といったポジティブなものでも「要らない」「買わない」「つまらなそう」といったネガティブなものでも、何かしらアクションを起こす人ほど実際に買うことはない。
本当に買う人は、何も言わずに「購入」をクリックする。そしてそれが大半だ。
さらに言うと、投資の世界ほど「良い口コミ」は流れないと思ったほうがよい。よい評判が広まり、多くの人が買うことになった結果買えなくなる、その金融商品から得られる利益が減ってしまうなどにつながる可能性もあるため、その商品の恩恵を受けている人ほど良い情報を広めようとしない。むしろ広まらないよう、聞かれても悪い情報を伝えることすらある。
3.「いつ儲かっていればOKか」を決める
金融商品の評価が難しいのは、「何をもって儲かったと考えるか」が決めにくいことだ。たとえば、30年後に1億円儲かる予定の商品があったとして、購入から1月後に解約した場合、たいていは儲かっていないか損をすることになる。
それを「あの商品は損だ!」と言うのは簡単で、特に誰もが情報を発信できるようになった現代において、悪い情報ほど即座に広まっていく。
「日本人の9割は投資で損をしている」といわれているが、大損をした誰かが「やはり日本人は投資に向かない!」と声高に叫ぶことで、そのような印象だけが広まっていく。
リーマン・ショックは多くの人に投資で損をさせたが、一番値が下がったタイミングで様々な金融商品を買い、その後正常に戻ったことで大儲けをした人はたくさんいる(そしてそれらの人たちはそのことを決して語らない)。
この度のイギリスのEU離脱でも、大幅に下落したポンドを大量に購入するなど、経済危機をチャンスととらえる人は多い。
新興国への投資も、乱高下があるので大きく値を下げることは頻繁にある。だがその国が数年後には確実に成長すると見込んで、目先の損を考えず長い目で投資している人もいる。
大切なのは「いつに儲けたいか」だ。それをしっかり考えられれば、おかしな商品にだまされることはない。
投資とはいわば「人が売っているときに買い、人が買っているときに売る」ことで儲けることだ。ほかの人と同じことをするのは、儲かっている人たちの懐を潤すことになる。
「自分の目で見て、考える」ことだ。そして時には世の流れと反対の行動をとることもある。
そのためにも、目先の都合のよい情報に流されるのではなく「その投資でどうなりたいか」を考えておくことが大切だ。