小泉進次郎も来た 世界のセレブがセブ島に英語留学する3つの理由

 世界中の英語の非ネイティブが、本気で英語を身につけたいときに行く場所がある。
 フィリピンのセブ島だ。

「フィリピンで英語?」というのが多くの人の反応だろう。だが今や、セブ島は世界的に英語学習のメッカになっている。
 ロシアや台湾、アラブ系、アフリカ系など世界中のノンネイティブな富裕層やエグゼクティブなビジネスパーソンが、こぞってセブ島に留学しているのだ。そしてその数は年々増えている。
 自身の大きなビジネスで英語が必要な、忙しいので短期間で真剣に英語を身につけたい人たちが、プライベートジェットでセブ島を訪れ、5つ星ホテルに滞在したりながら学んでいる。


セブ島の語学学校を訪れた小泉進次郎氏

 日本人も同様にハイクラスな人たちが、セブ島を選んでいる。知る人ぞ知る効果の高い学習の場になっているのだ。
 2015年の日本からの留学者数は4万人を超え、最近は小泉進次郎内閣府大臣政務官も視察に訪れるなど、その知名度はだんだん広がってきている。
 世界中の知的ノンネイティブがセブ島を選ぶ理由や、フィリピンでの英語学習のメリットを取材した。

フィリピン留学3つのメリット

メリット1:フィリピン人は世界一英語を教えるのがうまい
 フィリピンでノンネイティブ向けの英語学校QQ Englishを運営する藤岡頼光氏によると、「英語を教えるのが世界で一番うまいのはフィリピン人」だという。理由はいくつかある。

1.フィリピンは英語が公用語だが、フィリピン人はネイティブではない
「英語はネイティブに習ったほうがいい」と思われているが、実はネイティブは母国語だからこそノンネイティブの「ここがわからない」を理解できず、学習者に納得できる説明をできないことも多い。
 その点、フィリピン人は学校で外国語として英語を習い、身につけてきた。ノンネイティブだからこそ、かつて「ここがわからない」を数多く経験してきている。その経験が、学習者が本当に求める答えにつながる。

 実はフィリピンは、世界のノンネイティブのビジネス英語指数で1位、ノルウェー(2位)やオランダ(3位)といった母国語が英語に親和性のある国を抑えての結果だ。国民の英語力が高い。

 フィリピン人は英語ネイティブではないからこそ、教科書通り、発音記号通りの英語を話す。ネイティブによる言語の省略やくだけた文法の言い方はない。そのためフィリピン人に習うと、世界のどこでも通じるクセのない英語を身につけることができるという。
 英語も国や地域によって変化しているが、フィリピンで習った英語はどこでも通じるのだ。

2.フィリピン人はホスピタリティにあふれ、教えるのがうまい
「フィリピン」という言葉に「フィリピンパブ」をまずイメージする人もいるだろう。
 よいイメージとは言い難いが、藤岡氏によると、日本でそのような店が流行ったのは、フィリピン人の「ホスピタリティ」による部分が大きいという。
 フィリピン人は大家族で、助け合う精神が強い。そのためおもてなし、相手に何かしてあげようという行動を自然にできる。

 フィリピン人は、実は世界中で看護婦や家政婦などの仕事をしているという。英語が使えることも大きいが、そのホスピタリティによる部分も大きい。
 英語も同様だ。学習者の何がわからないかを知ろうとし、熱心に教えてくれる。日本人学習者は、アメリカ人などのネイティブ学習者とマンツーマンレッスンを行っていても、わからなければついそのままにしてしまうことが多いが、フィリピン人はわからないことをそのままにさせない。理解できるまで何度でも教えてくれる。

 そして、東南アジアの陽気な気質の人たちゆえ、わからないことを聞きやすい雰囲気もある。日本人、特に英語が不自由な学習者にとって、マンツーマンレッスンでイギリス人やアメリカ人と8時間くらい一緒にいると、人の好き嫌いとは関係なくそれなりのストレスがある。フィリピン人はそのストレスが少ないため、長時間のレッスンも受けやすい。

3.学習のコストが安い
 英語学校自体の費用はフィリピンでもアメリカやイギリスでもそう変わらないが、大きく異なるのはカリキュラムの細やかさと、現地の滞在コストだ。
 アメリカやイギリスなどは留学者が多いため、英語学校での学習内容はある程度大人数でということになる。教師が1人で生徒が10人といったカリキュラムが多く、どうしても学習の効果は低くなる。
 フィリピンは学習者の数も多くなく、マンツーマンのレッスンも豊富にある。1日8時間のマンツーマンレッスンといった集中特訓のカリキュラムも多く、学習者はしっかり英語を話すことになり、学習効果が高まる。英語学習の費用対効果ははるかに高い。


 現地の滞在コストが安いのもメリットだ。物価は日本の半分か3分の1くらいなので、滞在にかかる費用は欧米に比べはるかに抑えられる。フィリピンに1カ月留学するのと、ロンドンに1カ月留学するのでは、費用は2倍以上異なる。

 日本人にとっては、フィリピンが近いのも大きい。日本から飛行機で4~5時間で行くことができる。欧米に行く時間の半分程度だ。忙しい人たちにとってはまさにタイムイズマネーだ。
 近ければ航空機代も抑えられる。最近は日本からフィリピンにLCCも飛ぶようになり、費用はますます少なく済むようになってきている。

1日留学、1週間留学も効果がある

 話を聞いた藤岡氏が代表を務めるQQ Englishは、日本人によるフィリピンの英語学校運営の先駆けであり、藤岡氏はフィリピン人による英語学習の礎を築いた。それまで外国人に英語を教える機会のなかったフィリピン人に教師の可能性を見出し、環境を整えたのだ。

「私が運営する学校では、教師全員にTESOL(英語が母国語ではない人々向けの英語教授法に関する資格)を取得してもらいました。
 教材も日本の実績豊富な英語教師の方にお願いし、必ず成果の出るものを作成してもらいました。

 英会話学校に通ってネイティブの先生と会話をしても英語力の上がらない理由の1つに『話すことがなくなる』があります。日本人同士、日本語で話していても、初対面の人といきなり何時間も話が盛り上がることは難しいと思います。外国人と英語でならなおさらです。

 作成したのは、『このときにこういうことを話す』というカリキュラムです。この内容に沿えば、何時間でも話が続けられます。あとはそれを英語で行うだけ。きちんと行えば、必ず英語力がついていきます。


小泉進次郎氏とフィリピン人教師たち (小泉氏の右隣が藤岡氏)
 そこまで効果の高いものならば、留学は短い期間でも効果が出ます。欧米なら半年くらいは留学としては短いレベルですが、フィリピン留学は3カ月も行えば長いくらいです。

 欧米の留学は語学以外にも学ぶことや目的があると思いますが、フィリピン留学は英語学習のためだけに行うことで、短期間でも高い効果があります。

『時間がなく、3カ月も留学できない人にもっと短い期間で英語力を上げてもらうにはどうしたらよいか?』を考えて、つくったのが、1週間、もっとも短くて1日留学コースです。限られた期間に、1日8~10時間、みっちり学んでいただきます。

 どんなに詰め込んでも、さすがにそれだけで英語力が大きく伸びることはありませんから、留学の前後にオンラインでフィリピン人の教師とレッスンを行ってもらうようにしています。

 英語学習は継続が何よりも大切ですが、人間、よほどのモチベーションや切羽詰まった事情がない限り、飽きてしまったり挫折してしまうものです。

 短期間でも、留学することにはモチベーションアップのうえで大きな意味があります。なかなか長期間の留学をする時間はとれなくても、1年に1回休暇の期間を利用し、短期間の留学をする方もたくさんいらっしゃいますね。

 国で言えば『フィリピン留学』になりますが、私は『セブ島留学』と呼んでいます。実際に、私の運営するところ以外もほとんどの学校がマニラなどではなくセブ島にあります。

 セブ島はフィリピン最古の都市があり、日本で言う京都に当たるところです。京都には京都大学、同志社、立命館など優秀な学校が集まっているように、セブ島も多くの大学があり、学習に最適な風土があります。

 本土に比べて安全なのも、学習に専念する環境としてふさわしいと考えます。セブ島はリゾート地のイメージがありますが、実は世界の一流企業が集うビジネス街でもあり、ビジネス、観光の両面からも治安が保たれています。

 質の高い英語学習に専念できる環境でありながら、休み時間にはリフレッシュもできる。セブ島は最高の場所ではないかと思っています。

 私は元々バイクを扱う仕事をしていました。好きなイタリアのバイクの生産者と、通訳を介してではなく直接会話したい、それが英語を学び始めたきっかけです。

 英語の学習は簡単ではありませんが、英語が使えるようになり、大きく世界が広がったのを私自身実感しています。

 多くの人に、最短距離で英語を身につけ、使いこなして自分の世界を、可能性を広げていただくお手伝いができればと思っています」

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