ヘッジファンドや投資家が、原油価格の上昇に投資機会を窺っているという。
フィナンシャルタイムズによると、先日ナイジェリアで行われたOPEC(石油輸出国機構)の話し合いの場にて、原油の減産を取り決めたことでブレント原油価格(ヨーロッパの原油価格の指標)に関するデリバティブ(金融派生商品)が上昇したと、アメリカのインターコンチネンタル取引所が発表した。
David McNew/Getty Images
この動きに、投資家やヘッジファンドは反応している。
「OPECが原油価格の調整に入ったことが売りを押し下げ、11月30日にウィーンで新たに予定されている話し合いが行われるまで価格は高止まりするだろう」とモルガン・スタンレー証券のアナリストは言っている。
8月の末にはOPEC加盟国が原油の減産に同意、OPECの動きを受けてWTI(原油先物価格)は多少上昇し、現在は1バレル50ドル前後で推移している。一時期は20ドル台まで下落していただけに、多少持ち直した。
減産という大筋は決まったとはいえ、そこで細かいことは決まらず、足並みが揃い切っているとは言い難い。
OPEC未加入の巨大産油国、ロシアをOPECに取り込もうという動きも活発だ。
「投資家が買い持ちをやめるようなことがあれば、今度は原油が強い売り圧力にさらされることになる」
ドイツのコメルツ銀行のアナリストは言う。
原油価格をめぐる展望は、依然不透明だ。