タワーマンション節税、駆け込み購入は損かも?

 政府・与党は20階建て以上の高層マンションについて、高層階の固定資産税と相続税を引き上げる方針を固めた。2018年以降に引き渡す新築物件が対象で、12月にまとめる与党税制大綱に盛り込むことを目指している。

資産2~3億円の富裕層にメリットが大きい

 タワーマンションは、何階かによって値段が大きく変わる。階層が高いほうが景観がよいことから人気があり、取引価格も上がる。日本経済新聞の報道によると、資産評価システム研究センターが全国の新築高層マンションの分譲価格を調べたところ、最上階の床面積あたりの単価は最下層階より平均46%高かったという。
 低層階と高層階で、数千万円の差があることも珍しくない。


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 部屋により金額が異なる一方で、相続税の評価額は各住戸の床面積に応じて割り当てられるため、価格の高くなる高層階がより資産圧縮効果が高くなり、有利な相続税対策となっていた。
 相場としては低層階で7割以上、高層階で8割以上の評価減が発生することも多い。

 タワーマンションの高層階を購入すると、同じ金額を現金で保有するよりも相続税評価額で大きなメリットがあった。「資産2、3億円程度の富裕層に最も向いている相続税対策」(業界関係者)とされ、節税策として購入する動きが広がっていた。

 この度予定している税制改正では、高層階に増税され、低層階は減税される見込みだ。菅義偉官房長官は24日の記者会見で「実際の取引価格を踏まえた固定資産税の案分方法を検討している」と述べた。

メリットは依然として大きい

 具体的な金額や計算方法はまだ発表されていないため、詳細は不明だが、大前提として理解しておくべきは、それでも現金で持っているよりもはるかに節税策になるということだ。
 そのため今回の税制改正を理由に、タワーマンション購入の動きが鈍るとは考えにくい。
 富裕層優遇の税制に対する批判をかわすための手を打つにせよ、そもそも政府は消費を活発化させたい意図がある。

 増税を課していつか相続税を納めてもらうよりも、先に買ってもらいお金が循環したほうが政府としてはありがたい。
 そのような状況に加え、不動産は千差万別だ。物件や税制によっては、高層階がもし不利と言えるくらいの増税になるようであれば、減税になる低層階を購入したほうが有利に使えるなど、方法はいくらでも考えられる。

 むしろ気をつけるべきは「2017年中の引き渡しを目指して高値をつかまないこと」だ。
 2018年以前に引き渡される物件には従来の税制が適用されることになるゆえ、直前には駆け込みの購入が予想される。
 2014年3月、消費税が5%から8%に上がる直前に、金額の大きな買い物をした人も多かった。
 その時期は消費が活発になった結果、全体的に消費税額の安さを差し引いても割高感のあるものがあふれ、消費税増税後、消費が大きく冷え込んだこともあり結果的に増税後のほうが割安に買うことのできるケースが多々あったのだ。

 富裕層は税制改正の動きを見つつも、メリットのある動きをするようにしたい。

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