ヘッジファンド、欧米がダメでもアジアがいい。

 ヘッジファンドの運用が世界的に苦境にあると、度々報じられている。
 アメリカやヨーロッパのヘッジファンドの多くは運用成績がマイナスを記録し、2016年1~3月の世界のヘッジファンドの解約は、リーマンショック以来の高水準に達した。
 ヘッジ・ファンド・リサーチ(HFR)社によると、解約額は150億ドル(約1.6兆円)となり、運用総資産額は2.90兆ドルから2.86兆ドル(約310兆円)に減っている。
 この解約額は、リーマンショック時2009年の4~6月期に記録した430億ドル以来の規模となっている。

 カリスマヘッジファンドマネジャーと言われる人たちのファンドも、苦戦しているところが目立つ。
 HFR社のヘッジファンド・インデックスによると、ヘッジファンドの今年1~2月のパフォーマンスは2.6%の下落となり、2015年の1.1%のマイナスからさらに続落していた。
 リーマンショック時や2015年下期のFRBの利上げ懸念のように、市場にテイルリスクが発生するときにヘッジファンドのロスが大きくなる傾向があることから、解約ラッシュが起きた模様だ。

 特に運用総資産の大きいグローバル・マクロ戦略のファンドが苦戦した。著名なヘッジフファンドマネージャーのファンドも、軒並み1~3月は大幅な損失を計上している。

 世界一のグローバル・マクロのファンドであるレイ・ダリオのブリッジウォーターはマイナス7%、サブプライム危機で巨額の富を築いたジョン・ポールソンが運用するイベント・ドリブン戦略のポールソン・アンド・カンパニーはマイナス15%。
 チェース・コールマンのグローバル・マクロのタイガー・マネジメントはマイナス22%、タイガー出身のアンドレアス・ハルボアセンのバイキングはマイナス9%、バリュー投資のビル・アックマンのパーシング・スクエアはマイナス26%となっている。

アジア、新興国関係が強さ

 そのような状況で、好調なのがアジアのヘッジファンドだ。セリカ・パートナーズ・アジアのクレジットファンドは年初来リターンがプラス30%だと、ブルームバーグが報じている。

 また、トリアダ・キャピタルによると、同社のヘッジファンドは1~9月の成績がプラス27%を記録。アジアのクレジットに特化するヘッジファンドに限定すると、リターンはあらゆる戦略を対象とする世界のヘッジファンド指数の2倍近くになったことが、ユーリカヘッジの調べでわかっている。

 セリカ・パートナーズ・アジアは香港に拠点を置くヘッジファンドで、投資顧問サービスや資産管理、ファイナンシャルプランニングや助言業などをしている。

 ヘッジファンド全体のここ最近の傾向として、中国や日本株投資が低迷してきたため、クレジット系ヘッジファンドが好調分野として浮上してきていることがある。
 新興国関連の動きがよく、アジアに特化したクレジット系ヘッジファンドの1~9月の運用成績はプラス6.5%で、ユーリカヘッジがまとめている世界のヘッジファンド指数の3.3%の倍近くを記録していた。同社によると、アジアのこれらのファンドの8割前後が今年はプラスの成績となっている。商品相場の反発や、インドネシア・ルピアなどアジアの一部通貨の上昇が寄与したという。

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