大統領選を間近に控えた今、アメリカの投資家は何を考えているのか?

 投票の日が迫るアメリカ大統領選挙、その結果に大いに注目が集まっている。
 実際の選挙が行われる国、アメリカの投資家たちは今、そしてこれからをどのようにとらえているのか?


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 フォーブスによると、アメリカの投資家の間では、クリントン候補の勝利は堅い、またクリントン氏の勝利を見越した手を打っている人が多いという。

「歴史を見れば、クリントン氏勝利が市場に好影響なのは明らか」
 60億ドルを扱うベルエアーインベストメントアドバイザーズの、ステファニー・T・ウィザーズ氏は言う。

 ダウ平均株価のリターンは1901年から2016年で平均して4.5%、民主党政権下では7.0%のリターンなのに対し、共和党政権では3.0%であることをその理由に挙げる。
 党としての政策がアメリカ経済によい影響をもたらす、という考えだ。

大きくなる「トランプリスク」

「クリントン氏の政策は予想できるものだが、トランプ氏のそれは予測ができない」
 そう語るのはオハイオ州シンシナティのジョンソンインベストメントカウンセルで資産運用のディレクターを務めるティモシー・C・ゲッヘナー氏だ。同社は80億ドルを管理している。

 経済政策に関して、クリントン氏は当選後も、これまでのものを踏襲する公算が大きいと受け止められている。
 一方でトランプ氏は反自由貿易的な公約を掲げるとともに、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長について、政治的な行動を取っているとして批判するなど、現政権が良好な関係を築いているところとも対立の姿勢を見せている。
「クリントン氏の政策に関しては驚くようなものはないが、トランプ氏の政策には、本当に実現したら果たしてどうなるのか、ひょっとして貿易戦争の引き金になるのではないか? というものもある」
 ゲッヘナー氏は語る。

 TDセキュリティーズの世界金利戦略責任者、プリヤ・ミスラ氏はブルームバーグのインタビューに答え、トランプ氏が当選すれば、12月の利上げの確率は恐らく「20%ないしさらに低い数字に落ち込む」と予想した。
「株価は乱高下して金融情勢は大幅に引き締まる、成長にマイナスの影響を及ぼし、景気は後退するだろう」
 ミスラ氏に限らず、そう考える投資家は多い。

 トランプ氏が当選した場合、ドルも100円程度に下がるのではないか、とブルームバーグは予想している。一方でクリントン氏が当選の場合は上昇すると予想されている。

 クリントン氏が当選すると見越して動きがよいのが、メキシコのペソだ。トランプ氏は「メキシコに壁を作る」などと過激な発言を繰り返していたことから、大統領選の影響を大きく受ける通貨となった。
 主要な産業が石油なことから、かつては原油価格に連動していた通貨だが、今では大統領選の予想に大きく左右される通貨だ。

 ペソの対ドル相場は10月28日にFBIがメール問題を再調査すると報じられる(トランプ氏の支持率上昇が見込まれる)と、下落基調が一気に強まった。その後はまた上昇傾向にあり、11月7日現在は1ドル=18ペソ台半ばで、直近安値を付けていた3日に比べ5%弱上がった。

 世論調査が示している支持率については、直接討論の内容からクリントン氏がトランプ氏を若干リードしていたが、クリントン氏の私用メール問題でFBIによる捜査が再開されたことで、再び拮抗した。

 本日、訴追は行わないとするFBIの発表を受けて、クリントン氏に追い風の風潮があるが、「まさか離脱はない」といわれていたが投票結果は離脱となった今年のイギリス同様、どうなるかはふたを開けてみないとわからないところがある。
 大統領選の結果そのものだけでなく、それに連動した市場の動きからも、目が離せない。

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